英語のボキャブラリーへの苦手意識はなぜ生まれるのか?具体的な解決案は?
留学・海外就職において、上手くスタートダッシュを切れる人と切れない人の大きな違いの一つは何でしょうか?
理由の一つは、初日時点での語彙力、ボキャブラリーの差です。
語彙数が多いほど、リスニングやリーディングはもちろん、スピーキングでもライティングでも理解度が大きくなる事は言うまでもありません。
多くの人がそれを分かっているのに、語彙力が不足したままで仕事や留学に臨もうとするのはなぜでしょう?
この章では、ボキャブラリーを増やす事が大変な理由は何か?を探り、その解決策をもって増やす方法にできないかを明らかにします。
語彙力が足りない原因
まずは、ボキャブラリーがなぜ増えないのか?という原因から一緒に考えてみましょう。
暗記が嫌い。
机の上に限らず、ソファに座ってでも、ベッドの上でゴロゴロしながらでも、散歩しながらでも、とにかく暗記が嫌い、出来ない。
もう究極は睡眠学習しかないのでしょうか?
単純作業にモチベーションが湧かない。
気持ちの問題ですね。分からなくはありません。特にやらなければ、と無理やり自分を鼓舞するのは大変な作業です。
覚えたつもりだが身についていなかった。
あれだけ単語帳とか、色つきセロファンみたいなシートとかを使って覚えたつもりだったのに、いざ実践の場で何も思い出せない。
覚えた単語を一度も実践で使った事が無い。
何かを覚える仕組みって脳科学的に確かな理論があるのでしょうが、実感として思う事は、その脳を使って覚える作業にはアウトプットが必須なのでは?という事です。
語彙力を増やすコツ~原因の裏を返そう~
では、これらボキャブラリー力向上の阻害要因をひっくり返せば、それがそのままコツになるのではないでしょうか?
暗記が嫌い、単純作業にモチベーションが上がらない
この原因についてですが、自分自身以下のようなエピソードがあります。
それは高校受験が視野に入ってきた中学三年生の夏頃、相当の背伸びをしないと入れないであろう公立進学校の『絶対』合格を目指して、毎日8時間近く勉強していました。
その時期、万全を期す為につけてもらった一流大学生家庭教師の言葉が忘れられません。中3の自分は、その高校に入りたい理由を彼に説明し、彼も自分が絶対に入れてみせると約束してくれました。
勉強の過程において、英語の伸びに躓きを感じていた弥助は、ある日彼に尋ねました。
「どうすれば、ボキャブラリーを増やす事ができますか?」
彼は既に難関を突破している一流大学生です。きっと、何か特別な秘策というか効率的な勉強法があると思って聞いた訳ですが、彼の答えは想像のはるか斜め上をいっていました。
「ん?単語くらい当たり前に覚えた上で、文法やら読解問題の質問をしてくるのが筋じゃないの?」
「そんな甘えた姿勢で受かると思ってんの?」
自分の無責任な態度に気付かされ、ものすごく恥ずかしかった事を覚えています。
留学や海外就職を目指しているのであれば、ボキャブラリーを増やす事は必須、いろはの「い」です。
そこで躓いて、どう覚えればいいんですか?という質問は他人任せもいい所で、家庭教師の彼の言うように甘えている訳です。
この方向にマインドセットできれば、海外に身を置こうとしている自分がボキャブラリーを増やすなんて当然の事で、そこを悩む事すらおかしい、と開き直れます。
開き直りは、うじうじ悩むストレスを生みません。
覚えたつもりだが身についていなかった、覚えた単語を一度も実践で使った事が無い
とは言え、単語を覚える事に気持ちは前向きになれたとしても、やはりどうすればいいか分からないという気持ちも分かります。
一番厄介なのは、確かに単語帳を作って、毎日相応の時間覚える努力をしたのに、成果がまるで出ない、もしくは感じられないという場合です。
実際努力はしたのですから、覚えたつもり、覚えたはず、という思い込みが生じてもしょうがないですよね?
しかし、ここで注意しなければならないポイントは、
・「仕方なくやっているという受け身の姿勢」
・「目的と手段を間違えている」
この2点に尽きます!
「仕方なくやっている受け身の姿勢」→「能動的に」
単語は覚えて当たり前、というマインドセットは出来た。
でも、そこの作業を当たり前だから仕方なくやっていると方向づけてしまうと苦痛でしかありません。
嫌な事を押し付けられる事は、嫌な事です。そこで、ここでのコツは
「英単語に興味を持つ」事です。
いつも、これは英語で何て言う?という自ら知識を探りに行く能動的な姿勢に変える事です。
例えば、「単語帳」は英語で何て言うんだろう?と立ち止まったとします。
取るべき手段は一つです。
その時点で調べずにはいられなくなればいいのです。
「あー、”Flash card“って言うのか」という新しい知識を得る事を楽しめばいい、という事です。
「目的と手段を間違えている」→「目的なのか、その為の手段なのかを見極める」
このブログ全体で、おそらく何度も何度も登場しているポイントですが、目的と手段を履き違えると、大抵の事が本末転倒になってしまい、本来の目的が達成できない結果になってしまいます。
この場合は、単語を覚える事は手段であって、それが英語のテストかもしれませんし、実践でのリスニング・スピーキングかもしれませんが、想定した場面でその単語を使う事が目的なわけです。
「テストなら正答を得る」、「会話なら言いたい事を伝えられる」ことが目的であるべきなのです。
そこを見落として単語を覚えること自体が目的になってしまうと、その誤った目的を達成または評価する術はないのですから、ただのずっと辿り着けない目的と化してしまいます。
嫌になるのは必然です。
その点に気が付けると、やがて一つのコツにたどり着きます。
それは、アウトプットを強化するという事です。
自ら発信する為に、その単語を使う。ここで、本来の目的に立ち返る事ができます。その単語が必要になる訳ですから、覚える事が必須の前提になります。
妄想力を使った語彙力の増やし方
では、項目2で気付いたコツを更に深い方法論に落とし込みましょう。
自ら能動的に単語を覚える事を求め、覚えた単語を積極的にアウトプットする。
これが、ボキャブラリーを増やす王道であると、弥助の中では結論になっています。
実際の方法論としては、いつもアンテナを張って、英語で何て言うんだろう?という興味を持ちつつ、実践の場で相手に対し使ってみる。
とは言え、自分自身で勉強している段階では、または日本という単一民族の環境では、いつもその相手に恵まれる訳ではない事も承知しています。
そこで、疑似的にアウトプットを実際にしているように練習する事は出来ないか?と考えた際に、人間にはある才能が備わっている事に気付きました。
それは、妄想力です。
アソシエーションゲーム
ある場面を想像しましょう。よくある例として、海外でレストランに行った場面等は始めるのに丁度いいかもしれません。
出来るだけ五感を使いながら、脳みそをフル稼働して、その場面を妄想しましょう。
レストランに予約の電話を入れる場面では、どういう会話になるか?シュミレーションをしてみます。「予約したいのですが?」と言いたい。「予約」って英語で何て言うんだろう?
ここで、調べるべき単語が出てきましたね。
続けて、一緒に行く仲間の一人がエビとかカニの甲殻類アレルギーだから伝えておきたい。「甲殻類」って何て言うんだろう?
また一つ、知らない単語が分かりました。
この様に、一つ場面を設定して会話を妄想しながら、五感を使って情報を妄想し、一つの単語から次々に矢印で繋げていきます。
- 自分の発言
- 相手の発言
- その場所には何があるか?
- どういう音が聞こえるか?
- 手で触ったらどういう感触か
大きめの紙を使って、左上から「→」で繋げて書き出していきます。
「予約」→「アレルギー」→「甲殻類」→「○○」→「△△」と会話の流れに沿って、または自分の行動の時系列に沿って、次々に知らない単語を繋げていく事によって、
その場面で必要な新しい単語達が、自然と集まります!
そして、それらは互いに連続性の中で繋がっているので、単発で覚えるよりも忘れにくくなります。
これを自分の中では、アソシエーション(連想)ゲームと呼んでおり、今の所、ボキャブラリーを増やすのに最適な方法になっています。
詳しくはこちらの章で、是非ご確認ください!
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