あなたの妄想力を使ったボキャビルメソッド
英語を勉強する人にとっては、ボキャブラリー+ビルディング、ボキャビルは避けては通れないタスクですよね。
世の中には、何十通り、何百通りの方法が溢れていますが、どれも一長一短ありますから、意外とこれがベストと選択できずに、異なるメソッドを同時に実践する事が多いのではないでしょうか?
これって、永遠のテーマですよね。
この章では20年以上の海外暮らしにおいて、弥助がボキャビルし続ける上で、最も自分に適していた方法「アソシエーションメソッド」について示唆してみたいと思います。
もちろん誰にでもピッタリ当てはまるメソッドなど無いので、あなたが自分に合う部分だけでも取り入れ、結果的にボキャビルに役立てば嬉しいです。
なぜボキャビルしたいのか?
ボキャブラリーを増やす事って、読む・聞く・書く・話すの4分野のどれにとっても影響する、とっても地道だけど大切なタスクですよね?
でも、やらなきゃという思いは常に持ちつつも、何故増やしたいのか?という素朴な疑問は意外と考えた事なくないですか?
まずは一旦、あなたは今何の為にボキャビルしたいのか?と自分に問いかけてみてください。
- 学校で、歴史の授業に英語でついていくのが難しくなっているから
- アルバイトを始めたけど、他のスタッフやお客さんの言っている事が半分位しか理解できないから
- ホームステイ先で、ファミリーが何を話しているのか分からないから
- TOEICでいい点を取りたいから
こんな感じで、自分が英語を話す上で、どの部分でボキャブラリーの足りなさを痛感しているのか、思いがけず分かるのではないでしょうか?
このブログを通して、多くの章で何度も話している【手段と目的を履き違えない】という指針に基づき、やはりここでも「ボキャブラリーを増やす事は手段であり、自分のクリアすべき目の前の課題を克服する事が目的」という事を混同しない様に気を付けます。
ボキャブラリーを増やす事自体を目的にしてはいけないという事ですね。
アソシエーションメソッドとは?
この前提を踏まえて、では課題を克服する為に、具体的にどうやってボキャブラリーを増やす事が出来るのか?という次のステップへ進みます。
この章で紹介する実践的な方法は、アソシエーションメソッドなどと横文字で言っちゃってますが、単に弥助が自分でボキャブラリーを増やす為に作り上げたやり方です。
ある時は必要にせまられて、ある時はこれまでのやり方を応用する形で、またある時は友達とゲーム感覚で楽しみながら続けるうち、少しずつそのやり方と実際に語彙力が上がる効果についてはっきりしてきたので、段々と自分の中でこのやり方に落ち着いてきた経緯があります。
ですので自分の中ではとても実践的ですし、「英語を話す事は手段で、想いを伝える事が目的」という英語を勉強する事の揺るぎない指針にも合致している方法です。
全体の流れからお話しすると、まずは自分のクリアにしたい課題を元に、あるシチュエーションを想定します。
アソシエーションは「連想」という意味です。
例えば分かり易い例として「アルバイトを始めたけど、他のスタッフやお客さんの言っている事が半分位しか理解できないから」を挙げると、この課題を解決できる様、ボキャブラリーを増やしたいという明確な目的が生まれますね。
すると、より具体的な設定をする事で、どういう場面でどういう表現や名詞が実際に必要になるかがはっきりしてきます。
それらの中で、既に自分のモノに出来ている単語は、クリアになっている事実を認識できますし、後は知らない単語に絞って覚えていけばいいだけですよね。
この例の場合は、接客する上で必要になる表現と名詞について、「いらっしゃいませ」から「ありがとうございました」までをシミュレーションしながら、流れを一通り追っていく事でどんどん拾っていく事が出来ます。
結果、あなたが接客する一連のシミュレーションの中で必要なボキャブラリーを精査する事ができ、それを実践に活かしてベストなサービスが出来るという目的に繋げる事が出来るようになる訳です。
目的はあくまでボキャブラリーを増やす事では無く、増やしたボキャブラリーを使ってベストなサービスをする事でしたよね。
まずは日本語でいい
このやり方の利点は、ハードルを低く始められる事と、自分の妄想力を使って自由に組み立てられるという点にあります。
ですので、このシミュレーションをするに当たり、まずは日本語で始める事で全く問題ありません。
まずはどんどん妄想を広げていきましょう。
- 入店してきたお客さんに「いらっしゃいませ」と迎え、「何名ですか?」と聞く
- 日本であれば「タバコは吸いますか?」と尋ねる
- 「こちらにどうぞ」「好きなお席にどうぞ」と席に案内して、本日のお勧めを紹介しながらメニューを渡す
- 「決まったらお知らせください」と言って、水を取りに行ったり、スプーンやフォークなどの食器を用意したり、他のお客さんの様子をみたりする
- お客さんが決まったようなら、注文を聞きにいく
「ベジタリアンメニューはどれですか?」「これって玉ねぎは入っていますか?」など、お客さんからの有り得る質問も想定してみる - 「以上でよろしいですか?」「注文を繰り返します」などで確認する
ここまでを第一段階として、この場面で必要と思われる「決まったらお知らせください」という表現や、本日のお勧めという名詞など、日本語でも構わないのでどんどん書き出します。
お客さんからの想定できる質問への答えまで含めて、アレルギーって何て言うんだっけ?
玉ねぎは入ってないけどエシャロットは入っているって何て説明しよう?などの不明な点も合わせて、とにかく書き出します。
英語に変換する
次に、前項で書き出した全てを英語に直します。
- 「いらっしゃいませ」は英語で言わないな。「いらっしゃいませ」じゃなく”Hello.“,”Hi, how are you?“でいいんだな
- 「好きなお席にどうぞ」は”Please have a seat at anywhere you want.“でいいな
- 「本日のお勧め」って”Today’s recommendation”だと不自然なんだ?”Today’s special“か!
- 食器はお皿類が”crockery“、ナイフやフォークが”cutlery“だな。これで”Put the dirty cutlery in the dish washer.“って言われても分かるぞ。ついでに食洗器は”dish washer“でいいのか。
- 注文は”order“でいいんだよな。知ってるからこれはスルーで大丈夫
- 「何にしますか?」は”What would you like today?“でいいんだな。”What do you want?”は失礼だな。あ、失礼は何て言うっけ?あ、”rude“か。
- アレルギーは”allergy“って書くのか。でも発音は「アレジ―」なんだ。エシャロットは英語だと”shallot“なんだ。
- “I’ll repeat your order.“で「注文を繰り返しますはOKだな。これもスルーでよし
こんな感じで、必要な表現や名詞の洗い出しが出来、新しく覚えるべきは別途まとめたりして重点的に覚えられますね。
必要なシチュエーション毎に続けていく
前項の様な要領で、次に続く場面をどんどんと繋げていきます。アソシエーション(連想)していく訳ですね。
この例で言えば、注文を取り終わった後に続く場面として、以下の様な場面が連想されます。
- オーダーを伝えに行ったキッチンで交わされる会話、必要な名詞
- サーブから会計まで
- スタッフとの休憩中の会話
- 開店準備作業や、閉店清掃作業などで必須の表現や名詞
このように自分自身が関わる一連の業務を場面ごとに繋ぎながら、その都度必要となる表現・名詞をどんどん拾っていきましょう。
そして、既に知ってるものは捨てて、知らなかった単語だけをまとめて重点的に覚える事で効率的になります。
結論~疑似体験する事で実感を持って覚えられる~
自分にとって密接で必要な英単語は、その経験と共に絶対に覚えて忘れません。
自分の事に関連付けられず、ただ暗記しようと思っても、具体的なモチベーションがないから困難なのです。
このレストランの例に限らず、学校でのシチュエーション、ホームステイ先でのシチュエーション、営業として顧客との商談など、場面設定は全て自分次第です。
- 自分に必要なシチュエーションを想定し、そこから場面を連想していく
- まずは日本語で必要な表現と名詞を全て洗い出す
- 自分が既に知っている表現・名詞と、知らなかったそれらを分ける
- 知らなかった表現・名詞だけをまとめ、重点的に覚える
この順番で自分だけにカスタマイズする感じになりますが、チームで連想しあって膨らませ、洗い出した表現・名詞を共有するのもありですね!