就活に必要なTOEICの点数は?企業の広範囲なTOEIC活用法とは?

2-1. 初級者から脱出できる英語
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企業は就活だけでなく、広範囲に渡ってTOEICを活用

エントリーシートへの記入の時点で、既にTOEICの点数を申告する欄がある位ですから、企業の採用活動に関わる割合は大きいのではないかと思いませんか?

しかし、実際のところはどうなのでしょう?意外と誰も詳しく突っ込んで調べていないのではないでしょうか?

日本におけるTOEICの運営元であるIiBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)は、受験者の結果をとても詳細に分析した結果を提供しています。

この章ではそれらデータを基に、就職活動中の、または社会人としてキャリアップや転職を考えているあなたが知りたいであろう切り口で、企業とTOEICの関係を分析してみたいと思います。

就活、中途採用、インターンシップとTOEICの点数

就活で、企業は学生のTOEICの点数を参考にしてるの?

IiBCの情報によると、新卒採用や英語を使用する部署での中途採用の「要件・参考としている」または「新たに要件・参考とする可能性がある」企業は約6割に上るそうです。

結論から言うと、企業の半分以上が採用の要件・参考にしている訳で、日本の就職活動においては二社に一社以上の割合で必須と言えます。

エントリーシートにも必ず各種英語テストの点数を記載する欄がありますし、もうデフォルトという事でしょう。

新卒採用については、「TOEICを要件・参考としている、もしくはする可能性がある」企業が全体の約55%で、求める点数は535点だそうです。

そして海外でも活躍できそうな即戦力として中途採用する場合は、それぞれ60%強と560点に上がります。

ただし、これはあくまで平均の数値です。

企業によっては初めから「TOEIC700点以上」「800点以上」と足切りを設ける企業もありますので、ハイスコアを取得するに越した事はありません。

特に大企業や人気の企業には応募者が殺到しますので、人事の労力を緩和する為にも、こうした足切りが適用される事は容易に想像がつきますね。

新入社員は実際にみんな何点取ってるの?

では、就活のライバル達はいったい何点取っているのでしょう

直近数年間の、企業に内定した学生10,000人前後を対象にしたIPテスト(団体特別受験制度)の平均得点データは以下の通りです。

  • 2017年:539点
  • 2018年:538点
  • 2019年:547点

他方TOEICの公開テストからのデータを見ると、32万人強の大学生の平均点数は567点、4万3000人の大学院生で609と、こちらの方が少し高いですが、概ね同じレンジです。

もう少し詳しくスコアの分布を調べたデータもありました。これによると、最も多いのが301~400点の間のようですね。以下、35,552人の新入社員を対象に調べた結果を並べてみます。

  1. 301~400点:7,343人
  2. 300点以下:6,521人
  3. 401~500点:6,500人
  4. 501~600点:5,464人
  5. 601~700点:4,178人
  6. 701~800点:2,910人
  7. 801~900点:1,816人
  8. 901~990点:820人

何とワースト3が最も多いという結果でした。何と言うべきか、500点以下の新入社員が20,364人で全体の57%、半分以上です。

このデータは新入社員のデータなので、就職活動を勝ち抜いた学生のスコアな訳です。

と言う事は、TOEICのスコアが500点以下でも就職は出来るという事も言えちゃうのかもしれません。

文系と理系ではどっちがスコアがいいの?

文系だろうが理系だろうが、TOEICのスコアには関係ないだろうという予測でデータを見ると、意外にも大きな差がありました

2017年から3年間の新入社員の文系、理系別の平均スコアは以下の通りです。

  • 2017年:文系529点、理系459点
  • 2018年:文系534点、理系469点
  • 2019年:文系535点、理系468点

文系が70点ほど高いですね。

これで、自分が文系ならもっと頑張らなければ、理系なら少し低めでも大丈夫という認識で取り組む事が出来るのではないでしょうか?

インターンシップ

就活の一環の中でインターンシップもポピュラーになってきているようです。

一昔前のようなただの職場経験ではなく、そのまま本採用にも繋がっていく機会として、大分その意味合いもシリアスなものに変わってきていると分析されています。

ここで重要になるのが、人気のある企業へのインターンシップは学生の人気も高く、狭き門になっているという事です。

応募が殺到すれば、企業側も当然選抜をしなければなりません。インターンシップに応募してくる位の学生ですから、皆が意識の高い学生である事でしょう。

すると、企業が数字を比べて選考に活かす手段としてTOEICが挙がっても不思議ではありません。海外勤務や英語を使う部門・職種であれば尚更でしょう。

企業の中で求められるTOEICの点数は?

TOEICが測定基準の一つになるケース

IiBCのレポートによると、以下のような場合に企業はTOEICを「要件・参考としている、可能性がある」そうです。

昇進・昇格

  • 40%以上の企業が、課長への昇進時に
  • 40%弱の企業が、係長・主任への昇進測定に
  • 約35%の企業が、部長昇進に
  • 30%強の企業が、役員昇進に

海外出張・海外赴任

  • 約半数の企業が、海外出張者の選抜に。要求平均点数は620点
  • 60%強の企業が、海外赴任者の選抜に。要求平均点数は635点

希望する部署への配属

企業の約40%が、「今後の人材採用時、配属部署の決定及び異動時に、一定の英語力が求められるようになる」という認識があるそうです。

その際に、やはり広く受験されているTOEICが比べ安いという観点からも重要視されそうです。具体的なデータこそありませんが、これだけの点数を取ったから英語を使える部署へ異動させて欲しいという要望は、具体性があり説得力が加わりそうですね。

報奨金・資格手当

企業の約30%が、TOEIC L&Rスコアに応じて報奨金や資格手当を支給しているそうです。

ある企業の例では「740点以上で50,000円の報奨金を支給」という制度が設けられているなど、人事制度の一つとして利用されているとの事です。

ハイスコアを取る事で収入UPに繋がるのであれば頑張りますよね。

TOEICを最も受験している業界は?

次に、IPテストを受けた社会人を対象にしたデータから、業界・職種とTOEICの関係について見てみましょう。

最も多くTOEICを受験した業界

  1. 電機:151,415人
  2. サービス業:83,416人
  3. 車両:67,353人
  4. 機械:34,906人
  5. 運輸:29,121人

平均スコアのいい業界は?

  1. 公共団体:620点
  2. マスメディア:603点
  3. その他:594点
  4. 鉱業:580点
  5. 商社:568点

平均スコアのいい職種は?

  1. 海外部門:665点
  2. 法務部門:624点
  3. 広報部門:598点
  4. 財務部門:591点
  5. マーケティング部門:587点

このデータから、どの業種と職種においてTOEICが必要とされ、大体何点を目安に頑張ればいいかも分かりますよね。

やはり製造業が多いのは、海外に拠点を移した事で英語を実践で使う機会が多い事、海外赴任や出張が多い事から求められているのでしょう。

スコアについては、思ったよりも低いのが印象的でした。公開テストの大学生の平均スコアと余り変わらないですよね…。

しかし、職種別に見ると海外部門が断トツに高くなるように、英語の需要がある職種では他の部門よりも格段に高いスコアが要求されています。

この結果、社会人になって劇的に英語力を伸ばしている人は全体的には少ないのでは?という推察が出来ますが、英語を要求される部門とそうでない部門の差も非常に大きいという事も読み取れます。

700点800点とスコアを伸ばせば、海外勤務の可能性を上げる武器になるかもしれませんね。

役員ほど勉強している?

最後に、もう一つ面白かったデータに、役職別の平均スコアがありました

役職別に平均スコアの高いベスト3は、以下のようになります。

  1. 役員:534点
  2. 部長:526点
  3. 契約社員:524点

そしてワースト3は、

  1. 係長:485点
  2. 一般社員:487点
  3. 課長:499点

契約社員はおそらく英語に特化した翻訳や通訳などの業務も含まれると思うので、必然的に高いのかもしれませんが、役員がトップで部長が続いている事を見ると、先ほどの社会人になって英語力を伸ばしている人が少ないという推察が間違いなのか、元々英語力も高い優秀な人が役員になっているのか?意見が分かれそうです。

どちらにしろ、英語も頑張れる人が役員になっている事実は間違いありませんね。IiBCの情報によると、部長昇進へ要求される点数は800点だそうです。

結論~TOEICは約60%の企業で重要と思われる~

ここまでIiBCが提供するデータを分析してきた結果、以下の事が分かりました

  • 新卒採用でも中途採用でも、約60%の企業が550点前後のTOEICの点数を求めている
  • 新入社員の平均スコアは公開テストとIPを平均すると、やはり550点位
  • しかし、60%弱の新入社員のスコアは300~500点とさほど高くない
  • 文系と理系だと平均70点ほど、文系の方が高い
  • 社会人になってからも、約40%の企業が昇進や海外出張、部署の異動や報奨金についてTOEICを測定基準として活用している
  • 海外に工場や取引先が多い製造業において、TOEICの需要は高いので、業界を希望する学生は出来るだけ高いスコアを取っておいた方が有利
  • TOEICのスコアが高いのは、一般社員よりも部長・役員クラス
  • 部長昇進には800点位必要

これらの事実から、60%に及ぶ企業がTOEICのスコアを何らかの形で参考にしている以上、日本のビジネスパーソンは積極的にTOEICのスコアを上げる努力をするべきだという結論に達しました。

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