小学校卒業時に、英語の4技能は最低どこまでできていないとヤバい?

3. 小学校英語授業で英会話上達可能?
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読む、書く、聞く、話すの英語の4技能。中学生になって落ちこぼれないために必須のレベルとは?

英語は、小学校から授業科目となりました。

3年生になった時、

・幼児期から英会話などの習い事や家庭環境によって既に英語に慣れ親しんだ子供達

・これからアルファベットのAの書き方から始める子供達

後者の子供達が、ヨーイドンでスタートする位置に最も大きなハンデを抱える科目と言えるでしょう。

英会話教室の延長のノリで、全く物怖じせずに外国人ALT(外国語指導助手)の先生と会話を楽しむ生徒を横目に、何を言っているのか全く理解できずに劣等感を強くする生徒が生まれる可能性が高いのが現状です。

文部科学省が、日本人の英会話力の低さを是正し、英語でのコミュニケーションを苦も無く行える未来の人材を育むために始めた小学校の英語導入が、皮肉なことに英語嫌いの子供達を生み出す時期をもっと早める結果になるのでは本末転倒です…。

この章では、そんなハンデを背負った状態で、3年生から6年生までの4年間に授業で英語を学んだ結果、

「読む、聞く、書く、話す」の4技能をどこまで習得していれば、中学生になって落ちこぼれずに済むのかを検証します。

「読む」

まずは、日本人が最も得意とするところの「読む」という技能について、どのラインが小学校の英語教育で習得すべき最低ラインであると考えるべきか?

結論は、「初見の文章であれば読めなくても構わない」と言えるでしょう。

文部科学省が小学校への英語教育導入の目的としているところは、あくまでも英語を話せる人材を育てることです。これまでの受験対策としての英語の勉強では、「読む」という技能は長文読解という形で、ある意味最も重点が置かれていました。

しかし、小学校では英語を話せる人材を育てることに重点を置いているので、「読む」に関しては、

聞いた音とリンクさせて読めるということに「慣れ親しむ」ことができれば、良しとしています。

まずは会話に必要な「聞く」という技能を磨く過程の中で、実際に聞いた音から連想して教科書の文と結び付けられれば良いという感じです。

しかも最低到達点は「慣れ親しむ」ことですので、できなければいけない訳ではありません。

実際に、英語にも成績がつくようになる5年生からの英語の評価がどのようになされるのかについては、こちらの章で詳しく解説しています。

「書く」

次に「書く」という技能について、小学校卒業時に最低限できているべきと考えられるラインはどこにあるでしょう?

これも結論から言うと、「英文を書けなくても構わない」と言えるでしょう。

「読む」と同様に「書く」も、これまでの中学生が学んできた英語の授業では、受験に必要な技能として重視されてきました。

しかし、英会話には「書く」という技能は必要ありません。

文部科学省も、「書く」についての到達目標は慣れ親しむという言葉で表しています。
ですので、過度に心配する必要は全くありません。

しかし、とは言え成績のつく科目になっていますし、中学校に入学してから困らないためには、以下の基本については「慣れ親しんで」おいた方がベターであると言えます。

アルファベットに慣れ親しむ

・コミュニケーションの一環として、それを読む相手がいることを意識し、読みやすくハッキリとした大文字と小文字を書く

・「読む」と「書く」を連動させ、音からのリンクで文字を書くという練習を積む

4線上からはみ出さないよう、大文字と小文字を区別して書く練習を積む

筆記体は中学校からとし、小学校では習わない

・フォントについては、基本的には文部科学省が学校のために用意した「Handwriting WeCan Medium」というフォントで練習する

単語と単語の間にはスペースが有る事や、ピリオドの後ろ、次の文の始まりとの間にもスペースがある事などを学ぶ

・書き写しながら、英語の語順にも慣れ親しむ

このように、「読む」「書く」に慣れ親しむだけでいいと聞くと疑ってしまうかもしれませんが、実際に文部科学省も「小学校での英語教育は、中学校の英語授業の単なる前倒しではない」と言っています。

どうしても疑ってしまう方は、こちらから詳細を確認してみてくださいね。

「聞く」

さて、次の「聞く」に関しては、文部科学省も力を入れて授業に取り入れています。
3、4年生はまだ成績がつきませんので、「言語活動を通して聞くことに慣れ親しむ」ところが到達点と定義されています。

具体的には、以下の3点です。

ゆっくりはっきりと話された際に,自分のことや身の回りの物を表す簡単な語句を聞き取るようにする

ゆっくりはっきりと話された際に,身近で簡単な事柄に関する基本的な表現の意味が分かるようにする

文字の読み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分かるようにする

つまり、「ゆっくりはっきりと話された」前提において、知っている言葉を聞き取って、文字を連想し、意味と結びつけて理解することですね。

これが成績のつく5、6年生になると、上の3つの目標の語尾が「する」から「できる」に変わります

小学校の「聞く」については、ここが最低レベルのできておくことと言えそうです。

また、「聞く」と「話す」に関しては特に、小学校英語教育のキーワードである「言語活動」の理解がとても重要になります。

徹底的に詳しく解説した章はこちらからどうぞ!

「話す」

最後の技能は「話す」ですが、最低限のここまでできればいいという具体的なレベルは、文部科学省が以下のように明示しています。ポイントとしては、「話す」に関してだけは「やり取り」と「発表」の2つに分かれています。

「やり取り」

まず「やり取り」についてですが、重要とされるポイントは以下の通りです。

基本的な表現を用いて挨拶,感謝,簡単な指示をしたり,それらに応じたりする

自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うようにする

サポートを受けて,自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いて質問をしたり質問に答えたりするようにする

「話す」という技能については、英会話力を伸ばそうとする小学校英語教育の核となる技能ですので、求められる最低限のレベルも他の技能より高い傾向はあるでしょう。

重要な点は、暗記に頼らないことでしょう。

そしてなにより、子供達が英語でのコミュニケーションを楽しめることに尽きます。
そのためには、以下のような流れを取り入れることによって、より求められるレベルに近づけるようになります。

① 機械的なやり取りにならないよう、自分の気持ちや感情を盛り込むことも求められます。

② 顔の表情もボディランゲージも大きく表します。

③ 質問をし合ったりなど、双方向性を取り入れます。

「発表」

次に「発表」についてですが、ポイントは以下の通りです。

身の回りの物について,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする

自分のことについて,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする

日常生活に関する身近で簡単な事柄について,人前で実物などを見せながら,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする

大人の感覚では、むしろ臨機応変に会話をするよりも、しっかりと事前に準備をしたことを話せる「発表」スタイルの方が難易度が低そうに思えますが、これが小学生にとっては、単純に話すボリュームが大きくなることと、多くの人の前で注目されることの緊張感によって、「やり取り」よりも難しく感じるようです。

大人が少しでも子供達の気持ちのハードルを下げてあげるには、写真やイラストなどの聞き手が「発表」を理解しやすいアイテムを駆使することが1つのアイデアになるでしょう。

海外の小学校では、人前で自分の好きなものについて発表する機会が多く作られます。

これは、Show and tellと呼ばれており、とてもポピュラーな活動として教育に取り入れられています。

文部科学省も、こうした海外の授業を視察した上でその効能を実感し、今回の日本への導入に参考にしている節が見られます。

まとめ ~英語を好きになる秘訣は『自己肯定感』~

小学校から英語を勉強をするようになり、4技能について最低限求められる習得レベルをまとめると、

・「読む」は、初見の英文を読めなくてもよい

・「書く」は、英文を書けなくともよいが、アルファベットに慣れ親しみ、4線上で大文字と小文字をはみ出さずに書けることを推奨されています

・「聞く」は、ゆっくりハッキリと話された英語について、知っている単語と音と意味を結び付けられるようになることを求められています。これは、5、6年生の成績にも反映されます。

・「話す」は、「やり取り」と「発表」に分かれており、前者では挨拶や簡単な気持ちの表明を知っている単語を使って行えるようになることが求められ、後者ではアイテムを使って準備した内容を人前で話すスキルが求められ、これらは5、6年生の成績にも反映されます。

そして、このような初めて習う英語の4技能を学んでいく上で、小学生はどうしても自信を無くしがちです。
自信を失い、自己肯定感が低くなった子供は学力が右肩下がりになる傾向があります。
その理由は、

まさに勉強が苦手になるプロセスそのものであり、

英語がちんぷんかんぷんで全く分からない
→だからつまらない
→分からないと怒られるから嫌い
→だからますますやらない
→さらに分からなくなる

という負のサイクルに陥ることです。

どっぷりと落ちていってしまう前に、少しでも早く分かるから楽しいだからもっとやりたい結果英語が得意科目になる、といった正のサイクルを作ってあげる必要があります。

しかし、ここが問題なのですが、この修正作業は子供達が自力で行うのは非常に難しいです。
なぜかと言うと、どこが分からないのかが分からないからです。

なにが分からないかを見つけてあげて、その原因を取り除くための道筋をつけてあげるには、大人のサポートが必須です。

そして、その結果、子供達は自信とやればできるという自己肯定感を取り戻し、正のスパイラルを大きく成長させられるのです。

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