【bag, baggage, luggage】の違いは、可算名詞か不可算名詞か、英か米か
コロナウイルス感染拡大の影響で自由に旅行ができる環境ではなくなってしまいましたが、近い将来、また世界中の空港が旅行を楽しんでいる人々の笑顔であふれることを願っています。
そこで、旅行ができるようになった時に備えて!
旅行中のスピーキングにおいて、タイトルにある「荷物」を表す3つの単語の違いに戸惑っている人が意外に多いことに気付きます。
- 「bagとbaggageはどう違うの?」
- 「baggageとluggageは何が違うの?」
結論から言うと、
- 「bagとbaggageはどう違うの?」ー>「可算名詞と不可算名詞の違い」
- 「baggageとluggageは何が違うの?」ー>「米語か英語の違い」
この章では、荷物を表現する時に“two baggages”といった間違いをしないで済むよう、“baggage”を使う時の実践的なポイントを明確にします。
旅行先で、恥ずかしい思いをすることなく英会話を楽しめるようになります!
“bag”と”baggage”の違いとは?
前述の通り、この問いの答えは以下の通りです。
- “bag”は数えられる名詞である「可算名詞」
- “baggage”は数えられない名詞である「不可算名詞」
“bag“はそれぞれ個別に単体のカバンのことを指しますので、「バッグが1個、バッグが2個」と数えられる名詞です。
一方の”baggage“ですが、これはいくつかのカバンやスーツケースなどをまとめた一つのかたまりのことを指します。
ですので日本語訳をすれば「荷物」となるでしょう。
この”baggage“には語源があって、”bag“と”-age“から成り立っています。
接尾語の”-age”には、集合を表す意味がある
つまり”baggage“の場合は、“bag”が集まったもの=「荷物」という解釈が成り立ちます。
他にも同じ”-age”の例をいくつか挙げてみますね。
- “package“ ‐‐‐色々集めて一つに包装したもの
- “bandage“ ‐‐‐ひも状のもの(”band”)を集めた包帯
- “luggage“ ‐‐‐苦労して運ぶもの(”lug-“)を集めた荷物
“baggage”の数え方
“baggage“は不可算名詞なので数えられませんし、複数形の-sはつけられません。
英語を勉強している初級者に限らず、上級者でも犯してしまいがちなミスです。
- “I have two baggages.“
- “You have many baggages, don’t you?”
- “How many baggages do you have?”
残念ながら、これら上記の例文は全て誤りなんです…。
“baggage“を使う場面では”my“や“your“と一緒に使うことが多いですが、では全く数えられないかと言うと、これが実は数えられちゃいます。
ただし、ここでは不可算名詞を数える場合に共通の知識が必要になるので、そのおさらいをしましょう。
大前提はこれです。
数を修飾する形容詞には、以下の違いがある
- 可算名詞に使える形容詞
- 不可算名詞に使える形容詞
- どっちにも使える形容詞
たとえば「たくさんの」という形容詞を使いたい場合は、以下のように当てはまります。
- 可算名詞に使える形容詞 → “many”
- 不可算名詞に使える形容詞 → “much”
- どっちにも使える形容詞 → “a lot of”
よって、不可算名詞である”baggage“がホテルのロビーに山積みになっていて、スタッフが大変そうだと表現したい時は、以下のようになります。
“The hotel staff seems hard to handle such a lot of baggage at once.”
- 肯定文で”much”を使うことも可能ではありますが、公文書のような超フォーマルになるため会話文で使われることはほとんどありません
- 通常”much”を使うのは、否定文と疑問文です
- “so“や”too“, “very“という副詞と一緒になら、肯定文でもよく使われます。
そしてまとまりとしての数を数えたい時は、“pieces of”を用います。
すると、この項の最初に示した誤った例文は次のように修正できますね。
- “I have two pieces of baggage.“
- “You have a lot of baggage, don’t you?”
- “How much baggage do you have?”
(”How many pieces of baggage do you have?”)
違いが一目瞭然ですね!
他にもある可算か不可算かが紛らわしい名詞
この”baggege“や”luggage“のように、集合したかたまりを数えられないパターンは他にもあります。
可算名詞 | 不可算名詞 |
a chair, a table | furniture |
a trip | travel |
a job | work |
椅子やテーブルの集まりというイメージとしての家具、一か所ずつ訪れる行程の集まりというイメージの旅行、各タスクの集合が仕事といった感じですね。
ちなみに”GoToトラベル”が英文法的に間違っているので、外国人に笑われたり真面目に訂正されたりという事態が勃発しているそうです…。
この場合は、“travel”が抽象名詞である事が問題なのですが、なぜ間違いなのか?
分かりますでしょうか?
苦手意識のある冠詞についても、これからは絶対にその使い方に迷わないように一緒に解説しました。
また、こうした数えられるかどうかがあいまいな単語って他にもたくさんあります。
そんな曖昧さを解消するための方法が2つありますので、あなたともシェアしますね。
- その名詞の姿形を思い浮かべる。
簡単に描ければ可算名詞で、悩んだら不可算名詞!
(不可算名詞例:food, honey, money, happiness, time, beef, air, water, etc…
どれも描きにくくないですか?)
- 辞書で調べて名詞の項目に“C”とあれば「可算名詞」、“U”とあれば不可算名詞!
でも、あらゆる物事には例外が存在するものなので、最後は慣れと経験です!
“baggage”と”luggage”の違い
もう一つの違いである”baggage“と”luggage“についてはとても単純です。
- “baggage”はアメリカで米語として使われる
- “luggage”はイギリス英語圏で使われる
基本的にはそれだけです。
別にイギリスで”baggage“と言っても100%通じますし、特に気にすることはありません。
ただ一点、”baggage“にだけ用いられるもう一つの意味があります。
それは「心理的な荷物」と言うべき、「心の重荷」とか「不快な思い出による屈折した心理」といった感じの意味です。
最後にその例文を挙げておきますね。
“I have been holding a personal baggage since I was a child.”
(子供の頃から抱えている辛い気持ちがあります)
“The prime minister has to take over a series of political baggage”
(その首相は一連の政治的なお荷物を引き継がなければならない)
こうした英会話上達に直結するTipsをガッツリ学べるのが、コーチングスタイルの学習です。
その中でも、特に短期間で実力を伸ばしたい人向けには、高額でしかも厳しいコーチングスクールがお勧めです。
まとめ
この章では、紛らわしい可算名詞と不可算名詞の違いや、米語なのか英語なのかという違いについて、「荷物」を例に解説してきました。
- “bag”は数えられる可算名詞
- “baggage”と”luggage”は数えられない不可算名詞
- 不可算名詞に複数形の”-s”はつかない
- 不可算名詞を数える時は”much”や”a lot of “、”pieces of”などで
- “furniture”, “travel”, “work”なども集合したかたまりという不可算名詞
- “baggage”はアメリカで、”luggage”はイギリス英語圏で使われるがどちらでも通じるので問題なし
これでもう二度と【bag, baggage, luggage】で迷わないと思います。
勇気と自信を持って、英会話を楽しみましょう!
また、なぜTOEICで900点以上の高得点を取れている人が、英語を話せないのか?という素朴な疑問を考える事によって、日本人が英語を話せない答えについて、論理的にハッキリさせます!
さらに、こうした目から鱗のスピーキングに関するコツや秘訣はこちらから!