あなたが”There is”構文を間違って使ってしまう理由3選

2-1. スピーキング上達基礎英語
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ネイティブスピーカーが「?」と首を捻る”There is”の使い方とは?

中学校で習う基本的な英語表現の一つである”There is “や”There are “といったThere構文。

実は学校では教えてくれなかった大切なポイントがあります。

それは新しい情報に対して使用するという決まりです。

There is a boy in the room.“は正しい英語です。

A boy is in the room.“は誤っています。

この章では、上の例が正しく下の例は誤りである理由と共に、あなたがこれからThere構文を自信を持って使えるよう、その大切な秘訣を初級から上級まで3つ解説します。

なぜ日本人が使うThere構文にネイティブスピーカーが「?」という顔をするのか?その理由がよく分かると思います!

【初級編の秘訣】”A boy is in the room.“が誤りである理由

There構文は「そこに~がある」という意味を表す事から存在文とも呼ばれ、実はとても大切な役割があります。

それは「新しい情報を出すよ」という合図です。

何の事前情報も無いまま、いきなり”A boy is in the room.“と言われたら、それを聞いた相手はどう思うでしょうか?おそらくほとんどの人のリアクションはこうなるでしょう。

え?男の子って何の事?

そこで、これからの会話につなげるために、まずは新しい情報をThere構文によって提供するのです。

この情報によって、

There is a boy in the room.
   
「部屋に男の子が一人いるんだけどね」

“The boy must be a son of Fred. I have seen him somewhere before.”
    
「あの子はフレッドの息子に間違いない。前にどこかで見た事がある」

こうして二人の間で同じ”The boy“が共有された上で、以降の会話を継続できます。

There構文の初級編の秘訣】は、「何かが存在している」という新しい情報を提供する表現であると理解する事です。


ちなみに”a”や”the”の冠詞について別に解説した章があります。お時間があれば是非!

余談ですが、「”of”を使った名詞には”the”を伴う」という別なルールが適用された場合、その会話の中での新しい情報であれば”the”でも問題ありません。

“There is the conflict of religion between those countries.”
(それらの国の間では、宗教対立がある)

【中級編の秘訣】There構文の文型を理解する(be動詞編)

中学校で習いましたが、英語の文型は以下の要素から成り立ちます。

  • S(主語)
  • V(動詞)
  • O(目的語)
  • C(補語)

例えば”I like dogs.“なら、SVOという文型でした。

では、There構文はどういう文型からなっているのでしょう?

There is a boy in the room.“の例文では、”is”がV(動詞)で”a boy”がS(主語)です。

日本語でいう倒置法に相当するわけです。

分解してみると、”There”は存在を表しますよという記号のようなもので、SVOCの何でもありません。

強いて言えばC(補語)に相当する”in the room.”の代理です。

ですので、「There + V + S + C」です。

There構文では、この「主語がその場所にある」という意味で使われるケースが最も多いですね。

そしてここが腑に落ちれば、次の大切な部分も理解が簡単です。

Sの主語が単数であればVのbe動詞は”is“になり、複数なら”are“になる。

例を挙げれば以下の通りです。

There is a cup on the table.

一つのカップがテーブルの上にあるのだから、単数形で”is”です。

There are many people in the stadium.

たくさんの人がスタジアムにいるので、複数形の”are”ですね。

そして同時に、以下の事も当然のように適用されますね。

過去形になれば”was”と”were”になるだけ

疑問形になれば”Is there~?”や”Are there~?”と入れ替えるだけ

“will”や”must”、”can”などの助動詞を併用する場合は、原形の”be”になるだけ

【There構文の中級編の秘訣】は、この文型を理解する事で、「単数・複数」や「現在・過去」、「肯定・疑問」、「助動詞の使用」を迷わなくなる点にあります。

ここからは中級編の若干の応用になりますが、以下のいくつかのパターンのように文型に意味を肉付けする事が可能です。あなたのThere構文の表現がさらに豊かになるよう紹介しておきます。

形容詞を伴うS(主語)

一つ目は、S(主語)の後ろに形容詞をつける表現です。

“There are two kinds of tickets available today. The one is regular and another is premium.”
   
「今日は2種類のチケットが発売されています。一つはレギュラーで、もう一つはプレミアムです」

この場合は形容詞の“available“が”tickets“を修飾していて、「手に入るチケット」という2語で1つの主語を形成しています。

つまり「There + are (V) + two kinds of tickets available (S) + today (C).」と文型そのものは変わっていません。

現在分子、過去分詞を伴うS(主語)

二つ目は、”~ing”という形の現在分子や、”take”であれば”taken”という形の過去分詞が後ろについてS(主語)を作る表現です。

“There are a lot of festivals coming this month.”
   
「今月はたくさんのフェスティバルが予定されている)」

“There is no time left for us.”
    
「私達にはもう時間が残されていない」

前者の例では、”coming“が”festivals“を修飾しており、「やってくるフェスティバル」という主語になっていますし、後者は”left“という”leave”(残す)の過去分詞を伴い「残された時間」という意味での主語になっていますね。

文型自体はやはり変わっていません。

不定詞を伴うS(主語)

もう一つが、S(主語)の後ろに「to不定詞」がくるパターンです。
“to”の後には動詞の原形がきて、「~するための」という意味を加える表現ですね。

“There is a large space to park cars in this play ground.”
    
「その遊び場には、車を駐車するための大きいスペースがある)」

この文型でのV(動詞)はあくまで”isです。

「to+動詞の原形」が追加されていると言っても、その原型の動詞に惑わされてV(動詞)はどれだっけ?と迷わないようにしましょう。

「to不定詞」はS(主語)を修飾するためのものです。

【上級編の秘訣】be動詞以外の動詞を使う

There構文の特徴は、「There + V + S + C」の形が最も多いというものでした。意味的に「~がある」という場合にbe動詞を使う事が一般的ですが、一般動詞を使う例もあります。

最後に【上級編の秘訣】として紹介します。

以下は、be動詞の代わりによく使われる代表的な一般動詞です。

  • exist
  • remain
  • seem
  • arise
  • happen
  • come
  • occur
  • appear

例文を挙げると

“There exists a Japanese community in this suburb.”
    
「このサバ―ブ(郊外)には、日本人のコミュニティがある」

“There happened a traffic accident at the corner.
   
「その角で交通事故が起きました」

この場合でも、S(主語)が単数なのか複数なのかによって、一般動詞に3単元の”s”が付くか付かないかなども決まりますので、整合性が取れるように気を付けます。

結論~There構文は新しい情報~

この章では、学校では習わなかったThere構文の意味について紹介しました。

【初級編の秘訣】「何かが存在している」という新しい情報を提供する表現であると理解する
   

【中級編の秘訣】「There + V + S + C」という」文型を理解する事で、「単数・複数」や「現在・過去」、「肯定・疑問」、「助動詞の使用」を迷わなくなる
   

【上級編の秘訣】be動詞以外にも一般動詞を用いた表現も作れる

まずは、新しい情報を提示するというThere構文の最も大切な役割を理解しましょう。

そして文法に迷ったら、文型の確認に戻りましょう。主語を確認する事で自動的に正しい答えが見えてきます!

    
他にも文法的な知識を明確にすれば、もっと自信を持って会話に活用できるのに!というストレスを解消する章がありますので、お時間があれば是非!

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