“Go To トラベル”の誤った英語文法に学ぶ”a”や”the”の冠詞

初級者にこそ目から鱗の英語
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名詞に”a”や”the”が付いたり付かなかったりする理由は?

2020年に日本政府が観光業をサポートするために奨励した「Go To トラベル」キャンペーンですが、実は英語の文法的には誤っている名称です。

結論から言うと、”Travel”は抽象名詞ではない事と、目的地の場所ではないので”Go to”には続けないという意味で誤りです。

もし「to + 不定詞」の文法だとしても「行くために行く」と今度は意味的におかしいのでやはり誤りでしょう。

英語では単に”Travel“と言いますしね。

このように英語を使う上で、名詞に”a“や”the“などの冠詞が付く時と付かない時があって戸惑う事って多くないですか?

はっきりとその理由が分からないから、ライティングやスピーキングで発信する時に自信がなくなり、止まりがちになってしまいますよね。

そこでこの章では、「Go To トラベル」がなぜ文法的に誤りであるかを深堀りする事で、名詞に冠詞が必要な時とそうでない時がある事の理由について説明します。

読み終わったあなたは、もう冠詞の有無に迷わなくなるでしょう!

「Go To トラベル」が文法的に誤りな理由

ではまず、なぜ「Go To トラベル」という名称が英語の文法的に誤りであるかを詳しく解説します。

そのために必要な知識の一つが「抽象名詞」についてです。英語では”abstract noun“と言います。

これは「動作や状態、性質、概念、思考など具体的な形を持たない名詞」です。

具体的には以下の様な名詞が該当します。

  • English
  • love
  • peace
  • information
  • news
  • work
  • school
  • sleep
  • friendship
  • kindness
  • movement
  • beauty

まだまだたくさんありますが、傾向は同じです。

そしてこれらの特徴は「数えられない」という事です。ですので必然的に”a”や”an”という冠詞はつきません。

例えば”Go to school“という表現は”to”に続く名詞が抽象名詞なので、「場所としての学校」ではなく「学びに行く」という概念として扱われるので、”a”はつきません。

同様に”Go to sleep“も、概念として「眠りにつく」という意味になりますし、”Go to bed“なら「ベッドそのもの」ではなく、「就寝」という概念なのでやはり”a”はいらなくなります。

しかし“travel”は抽象名詞ではないので、概念としては扱われません

そして不可算名詞なので元々”a”はつきませんが、今度は“go to”の後には「目的地としての場所」が来る事になっているので、「旅行」は目的地ではないですから使えません。

よって、これらの理由で文法的に誤りだという結論になります。

また一方、「to + 不定詞」の文法として考えた場合は誤りではありませんが、「行くために行く」というおかしな表現になるので意味的には誤りになります。

抽象名詞にも使われる”the”という冠詞について

上で挙げた抽象名詞ですが、概念ではなくそのものの名詞として扱われる時は”the”という冠詞が付く事はあります。

例えば同じ例の”Go to school“でも、例えばそれが息子が通うある特定の学校に行くとなれば、

“I will go to the school for teacher and parents meeting.”

「先生と保護者の面談に学校に行ってくるね」

このように”the school“と言う事ができます。

では、この”the”が付く時と付かない時の基本パターンを見ていきましょう。

世界で一つだけの物につける

上の例でも、息子の学校は世界に一つしかありません。そこで抽象名詞ではなく、特定の名詞、しかも世界で一つだけの物である名詞として扱われているので”the”がつきます。

このように条件を限定する事で世界で一つになる場合に加え、地球や太陽、月のように、そもそも一つしかないものにも必要です。

人種や家族など集団を表す時につく

“Japanese”だけでは「日本の」何かは後に続く単語次第ですが、”The Japanese”と言う事で、「日本人」という名詞になります。

また家族の名字に”the”をつけて語尾を”s”にすると、そのグループの人々という名詞になります。

例えばビートルズも集団の人々と言う意味で”The Beatles“ですよね。

90年代の人気バスケチーム、デトロイト・ピストンズにいた荒くれプレイヤーたちはまとめて”The Bad Boys“と呼ばれていました。

集団としてのチーム名も”The Boston Celtics“や”The New York Yankees“が正式です。

同様に佐藤家、鈴木家という感じで、その一家の人々という意味で使われる時には、”The Satos“や”The Suzukis“と言われます。

時間を区切る時につく

例えば午前中や午後など、時間を限定する時には”the”を使います。慣用的に耳にしてきた表現だと思うので難しくないと思います。

  • in the morning
  • in the afternoon
  • by the evening
  • at the noon
  • at the midnight

さらに、1980年代を区切るなら”The 80’s“、20世紀だけを言及したい場合には”The 20th century“などと時間軸を限定して言う場合に”the”がつきます。

楽器の名前には必ずつく

教科書にもよく登場する例文として”I play the piano.”がありますが、どうして”a”ではなく”the”なのか?という質問を学生からされたら答えは一つ、

ピアノは楽器だから」です。

会話の中で趣味を話す時、もしあなたが楽器を演奏する事が趣味なら自分の楽器に”the”を忘れずにつけてくださいね。

共通の認識があるものにつく

会話などのやり取りの中で既に話題にのぼり、お互いが共通認識として共有している単語については”the”が付きます。

これはもう会話次第でケースバイケースですね。

形容詞の最上級につく

言うまでもなく、”happy, happier, the happiest“や”expensive, more expensice, the most expensive“などのように、形容詞の最上級には忘れずにつけましょう!

では次に、”a”や”an”という冠詞について説明します。

“a”や”an”がつく時、つかない時

基本的に数えられる名詞には”a”や”an”の冠詞をつけて、その物が1つである事をはっきりと示します。

ですので、“a”がつく場合は数えられる名詞である可算名詞の場合は全てです。

では後は、例外となる”a”がつかない場合を挙げていきましょう。

不可算名詞にはつかない

まずは数えられない名詞である不可算名詞には冠詞は使いませんのでこれらを除外します。
どういった名詞が不可算かと言えば以下の様な例を挙げられます。

液体

  • water
  • coffee
  • milk
  • beer
  • wine

たくさん集まって集団として認識

  • sand
  • salt
  • pepper
  • hair
  • money

目に見えない、境界線が曖昧

  • weather
  • thunder
  • wind
  • air
  • gas

他にも曖昧な単語が出てきた場合には、その都度可算か不可算か確認しましょう。

名詞と勘違いしても、そもそも副詞にはつかない

これは単純な事なのですが、本当は副詞なのですが勘違いして名詞だと思い込んでいるケースに起こり得ます。

「この名詞にはなぜ”a”がつかないのですか?」という質問の答えが「それは副詞だからだよ」となるケースですね。

では、どのような副詞があり得るか挙げてみます。

  • home
  • outdoor
  • inside
  • outside
  • indoor
  • upstair
  • downstair
  • here
  • there
  • abroad
  • overseas
  • asleep

ちなみに”Go To トラベル”のように”Go to home”や”Go to outside”とは言えません。

なぜなら副詞だからです!

Go home“や”Go outside“です。

抽象名詞にはつかない

はじめに説明した抽象名詞ですね。抽象名詞は前置詞とセットで慣用句になっている場合も多く、覚えておくとさらに迷わずにいいかもしれません。代表的なイディオムも挙げておきます。

  • for sale
  • in charge
  • in cash
  • by chance
  • for example
  • on purpose
  • by nature
  • under construction
  • without notice

結論~冠詞は慣れる要素も大きい~

この章で見てきたように、“a”や”the”などの冠詞がつく場合、つかない場合のそれぞれにしっかりとした理由がありました

しかもかなり明確にあるので、理解するのにさほど大変ではないと思います。

ただし物事には必ず例外というものはあるものです。これからも、あれ?これはどうしてという冠詞の使い方に出会うかもしれません。

それも含めて、自分のものとして自信を持って冠詞の有無を使いこなすには、やはり場数も必要になります。

どんどん使って経験値を上げ、冠詞を自在に使いこなせるようにしちゃいましょう!

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