日本と海外の上司の比較から見る、海外での働き方の心得

5-2. 海外で働く基礎知識
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日本と海外で上司の在り方は同じ?

海外で働きたいと思う日本人が、なぜそう思い始めたかを考えた時、その企業文化に基づく【働き方】について疑問をもったからでは?と思います。

(このブログを始めるきっかけになった根本の疑問はこちらから)

日本の企業での働き方って、良く言えば家族的、悪く言えば隷属的ではないでしょうか?会社に依存する事を求められ、それを強いるのが上司というイメージがあります。

この章では、日本と海外の上司達を比較し、彼ら彼女らのマネージメントの特性から、海外での働き方がどうあるべきかについて説明します。
ここを抑えていれば、外資系企業で働く事になった時に、初めから戸惑わずに済むでしょう!

時代は変わったのに、日本企業の価値観は変わっていない

40年、50年前の日本の高度成長期には時代にフィットしていた「終身雇用」も「年功序列」も半ば崩壊しているのに、価値観だけはそのまま残っているのが現状ではないでしょうか?

皆、心の底では分かっているはずです。【終身雇用】が保証されていて初めて、【年功序列】を受け入れられるという事を。

会社は一生を共にする家族であると思う事が出来てこそ、サービス残業も耐えられると。

時代は変わりました。

企業には、もはや従業員の一生を支える体力も気概も無くなり、統計でみると非正規雇用者の割合が3割から4割に達しようとしています。

【終身雇用】は無かった事にされ、突然【成果主義】を導入された上で、でもサービス残業だけは今まで通り続けてねと言われても、誰が受け入れられるのでしょう?

ましてや、その時代を知らない若い世代に強制するが故に、入社三日目で辞められるどころか、内定者に不必要なプレッシャーを与えすぎて自殺に追い込む上司まで現れる始末です。

新卒採用という制度

正社員の採用方法はいわゆる【新卒制度】から何も変わっていません。

もちろん、常に例外はありますので、もっとフレキシブルに採用活動を行っている企業がある事も承知していますが、大手であればあるほど変わっていない印象です。

この制度は日本の官僚システムが変わらない限りはこのままだと確信していますが、彼らの出世レースという都合を変える事は不可能でしょうから期待もしていません。

内定者を追い詰めて自殺までさせてしまった例を見ても、学生はやはり新卒でなければ望む条件での就職が難しい事を知っていますし、何よりまだ社会人としての、大人としての経験が足りません

結果、会社がその新卒入社組を教育していくという図式になるので、どうしても隷属的になってしまいます。上司も手間をかけて教えてやる、管理してやるという姿勢になりがちです。

配属される部署も新入社員が自分で選べるケースは稀ですよね?つまり日本は就職ではなく、依然として就社なのが実情だと思われます。

このスタート地点の違いが、大きな違いの一つです。

新卒なんだから何も知らない、一から教育しなければならないレベル、社会人経験ゼロ、こうした前提の元に新入社員研修をする訳ですから、理不尽な人格否定までするような研修が起こりうるのでしょう。

就職なの?就社なの?

一方、海外ではインターンシップを経て、そのまま就職するパターンはありますが、そもそも企業が新卒を募集するという事がありません

完璧に就社ではなく就職、もっと言えばそのポジションを補充する為なので、常にその業務に精通している経験者が募集されます。

ですので、募集要項には過去に何年間の経験必須ですとか、その業務をすぐに引き継げるか、といった能力が問われます。

経験者ですからそもそも社会人としての教育など必要無いし、即戦力ですから上司はその能力をいかんなく発揮してもらう事だけに注力すれば良いわけです。

上司の役目は、チームへのウェルカムの気持ちを伝え、スムースに業務を始められるようサポートする事ですから、そこには当然リスペクトも含まれます。

上司と部下という関係性があるのと同時に、人間としては対等に接する必要性を求められます

この通り、採用に関しても全然違いますね。

会社への帰属意識のギャップ

コロナウイルス禍の中、テレワークを導入した企業において、何と30%もの上司達が、「コミュニケーションが少なくなりとても寂しい」とアンケートに答えていたネットニュースを見ました。

あるIT系のビジネスオンラインリサーチでしたが、上司の会社の人間関係への高い依存度が窺い知れる結果だなと感じました。

確かにただでさえ会社の中で過ごす時間は、残業の多さや有休消化しづらい日本の企業風土を考えると、他国と比べてもどうしても長くなりがちです。

だからといって、人生におけるコミュニケーションが会社の人達に依存するのってどうなのでしょう?もし依存してなければ、「寂しい」という言葉は出てこないはずですが…。

またテレワークをしている部下に対して、上司は以下の様に心配しています。

  • 「生産性が下がっているのではないか?」…50%弱
  • 「サボっているのではないか?」…40%弱

人間関係を依存している割には部下を信用していない側面が強く出ています。

「寂しい」と思っている相手を信用していないという何とも矛盾した感情であり、ポジティブな関係だとは決して言えません。

海外では、17時になったら皆仕事を切り上げて退社します。もちろん、上司も率先して帰ります。

それは何故かと言うと、その後でコミュニケーションを取りたい相手が会社の外にいるからです。それは家族ですし、友達ですし、習い事などの仲間たちです。

ここに会社のしがらみは一切関わってこないので、会社への依存度はとても低く抑えられる結果になる訳です。

無駄な経費への意識

日本人上司のイメージでもう一つ浮かぶのが、接待です。
位が上がれば上がるほど、自由になる交際費の裁量が増える印象ですが、今現在はどうなのでしょうか?

ある産業機械メーカーの若い社員が、性能を効率的に引き出す操作方法等を顧客に伝える事で信頼され、結果優秀なセールスマンになったそうです。

しかし、彼の上司は昔ながらの接待で顧客との関係を深めるスタイルを好むタイプでした。

若い社員が、仕事の話など全くしないキャバクラなどの性的接待につき合わせれてウンザリしていると、その上司は次第に彼を疎ましく思い、暴言を吐くようになったそうです。

これまでの右肩上がりの日本経済では、会社の業績に繋がれば、会社の経費で接待をしても許容されたのでしょう。

しかし成長が止まっている現状で同じことをすれば、それは経費増にしかなりません

そして何より、接待文化の中ではまともな提案型の営業は育ちません

この上司による接待文化は、海外では通用しない事が多いと思っておいてください。

アメリカ等賄賂に厳しい国では、無償で提供できる飲食には1000円、2000円程度で上限が設定されていますので、気を付ける必要があります。

そして、家族の時間を削ってまで食事やお酒を共にしたいと思う人が少ない事も忘れてはいけません。

結論~スタイルは時代と共に変わるもの~

それぞれの上司のイメージや役割を比較する事で、日本と海外の企業文化の違いを明確にしました。

日本のこれまでの上司のイメージが完全に変わったとはどうしても思えませんが、実態と合わなくなってきているのも間違いないと思われます。

終身雇用を知らない若者は、上司世代と同じ様に会社に対するロイヤリティーを持てるとは到底思えません。それを、うちの会社ではこうなんだと強制すれば軋轢が生まれるだけですね。

日本企業も上司の代替わりによって変わる可能性はあるかもしれません。

しかし、もしまだまだ時間がかかりそうなら、海外で就職する道を探してもいいのではないかと思います

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