海外で就職・転職したあなたがまず知るべきは、日本と海外での働き方の違い
日本の学校に通う事、日本の企業に入社して働く事、自分にはその選択肢しかないんだと思い込んでいた勘違いから脱却し、常日頃から抱えていた内なる疑問に真っ向から立ち向かった結果…。
あなたはかつての弥助がそうだった様に、必然の流れで海外の地を踏んでいる事でしょう。
では、最大の難関である海外で働く事が出来るビザを取得する事に成功したら、次にあなたが知っておくべき事は、海外で働く時の常識、どう振舞えば良いかという基礎知識でしょう。
この章では、海外就職の第一歩を、チームから好意的に受け入れられ、あなた自身の良さやパフォーマンスを初めから最大限に発揮できる為の、知っておくべき外国でのビジネスマナーと重要英語表現を10選示唆してみたいと思います。
上司の呼び方・関係性 性別は分けない
基本的に海外のオフィスでは、上司であってもMr.〇〇やMs.〇〇よりも、ファーストネームで呼ぶ事がほとんどです。
自己紹介の時に、”Nice to meet you, Mr.〇〇.”と呼ぶのはもちろん問題ありません。
大抵の場合は、”Please call me John.“とファーストネームで呼んでくださいと言ってくる流れになると思います。
また、上司に対する接し方は他の同僚と同じ様に、お互いを尊敬し合う前提に立ってフレンドリーに接する事で問題ありません。
雰囲気は察しながら、出来るだけ敬語的な表現で話す方が間違いありませんが、関係性が近くなればもっとフレンドリーさに重点が置かれるように自然と変わってきます。
そして、上司も部下に対して尊敬し合う関係の構築を求められます。
ただ憮然としていたり、必要以上に威圧的な上司は、結果部下からの信頼を失い、自分へのネガティブなフィードバックとして返ってくる事になるので、お互いにいい結果を得られなくなります。
よって、初めからそれを知っている上司達は、よっぽど実力があったり安泰な地位がある場合を除き、きちんと”Please”をつけて仕事を依頼したり、貶したり叱るよりも、褒めてチームに協力してもらうフレンドリーなアプローチを取るケースが多く見られます。
また、日本でも最近女性の管理職の数は増えてきてると思われます。
海外では性別で分ける事はご法度ですので、ビジネスマンなど男性を意味する表現を使う事も望ましくないですし、女だから、男だからと批判する事は許されません。
プライベートとのオン・オフ
日本のサラリーマンの様に、一生懸命長時間働く事が家族の為なんだ!という考え方は、基本ありません。17時に終業なら、本当にピッタリ17時に帰ります。
そして家族と一緒に夕食を取り、時には子供のスポーツなど習い事の送迎をしたり、奥さんと映画に行ったりと、プライベートな時間を大事にします。
なので、仕事後の時間を家族に当てる為に、お客さんや同僚と朝食を一緒に取りながらミーティングするケースもよくあります。
また上司の中には、機会がある毎に自分の家に招くホームパーティを主宰するタイプも結構見受けられます。
休みの日に自宅に呼んでチームビルディングを企画する訳ですが、半分プライベートという感じが多いように感じます。本当に仲いいから、という理由ですね。動機はまちまちでしょうが、割と多いように実感しています。
とは言っても常に例外はあるもので、毎晩遅くまで残業しているホワイトカラーはかなりの数いるのも事実です。
このタイプの人達は、しっかりと昇進を目指して、または早期の引退を目指して、今が頑張り時だと思って意図的にそうしています。
でもやっぱり、根本には家族と時間を持ちたいという気持ちは強いので、土日はしっかりと家族と旅行したり、時間を共有していますね。
まずは笑顔であいさつ、握手
日本式だと初めての人に会う時は、初めましてとお辞儀をして「私はこういう者です」と名刺を渡しますよね?
海外のビジネスシーンでは、この初対面がとても大事で、とにかく相手の目を見て笑顔で自信を持って挨拶できるか?にかかっています。
その後の関係性を構築していく上で、ここの第一印象がその後に繋がっていく上でとても重要なのです。
女性が相手の時は、握手をしてもいいかな?という雰囲気を感じながら、出来れば握手をするのがいいと思いますが、余り強く握りすぎないようにするのがマナーです。
弱すぎても”Fish hand“というネガティブな握手になってしまうので、丁度良い柔らかさで行うのがいいと思います。
海外暮らしにおける握手の重要性についてはこちらから是非!
自己紹介
初めての人には、積極的に自己紹介をするのが海外のビジネスシーンではとても重要です。
日本人は、「私の英語は酷いものですが」などと謙遜や言い訳をする事が多いですが、日本ではその方が良くても、海外では逆効果です。
何故なら自分の事をネガティブに表現する人がいないからです。皆、はっきりと”I am excellent.”と言ってきますので。
自己紹介の切り出し方は”Let me introduce myself.“が自然でいいと思います。
「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれたら、日本人は「IT関係で働いています」とあいまいな説明をする事があるかと思いますが、海外では自分の職種まではっきりとポジティブに言うのがベストです。
“I work at a IT company.”と言うのではなく、
“I work for Microsoft as the latest database system engineer.“
(最新のデータベースシステムエンジニア、などアピールできる肩書)
こういう自己紹介の仕方で、相手は興味を持って更なる会話を繋げてきます。
そしてもう一つコツがあります。
それは別れ際に、必ず「会えて良かった、また会いましょう」ともう一度笑顔で握手する事です。
“It was nice to meet you. “で構いませんので、自信を持った笑顔が、次に繋がる好印象を相手に与えます。
名刺について
英語では”Name card”ではありません。”Business card“、またはただ”Card“です。
渡す時は、”Here is my card.“と言いながら渡せば大丈夫です。
ただ、はっきり言って海外のビジネスシーンでは、名刺は全く重要ではありません。日本人の常識からすると、あり得ないほどぞんざいな扱いをされる事もしばしばありますが、相手には他意も悪気もありません。
両手で受け渡しなんてほとんど見たことないですし、読みやすい様に相手に向けてなんて配慮も皆無です。
敢えて取り上げたのは、割とショックに感じる日本人が多いからです。
全然気にしないでください!
冗談を言うのは不謹慎?いやいやむしろ人間味のある面白い人と高評価
特に初めての人に会う時は、丁寧に謙虚に接するのが美徳だと躾けられているので、日本人にとって初対面の人にジョークを言って笑わせるのはハードルが高いかもしれません。
それはそれでいいと思います。外国人も日本人のそういう礼儀正しさには、きちんと一目置いていますから尊敬の対象に見られますので心配ありません。
ただ、もし英語に自信があるのであれば、その時に流行っているトピックを日本ではこうなんですよと面白おかしく話せたらいいですね。
またネガティブなニュースを、人々を不安にさせないようなくすっと笑えるオチと共に伝えたりしたら、相手にとってあなたは一瞬で忘れがたい好ましい人物としてインプットされるので、意外とお勧めです。
相手を楽しませよう、場の雰囲気をリラックスさせよう、相手がネガティブにならない様ユーモアを交えようという配慮がある限り、決して初対面で礼節を欠いた人とはなりません。
ビジネスシーンでのユーモアについて書いています。もしよければご参照まで!
自分の意見を言わないのは、意見が無い事
海外において、自分の意見を言わない事は、意見が無い事イコール「バカ」です。
ここは、とてもシンプルで、意見を言わなくても誰よりよく分かっているだろうという暗黙の了解は成り立ちません。
言わなくても、こちらが理解している事ぐらい知ってるでしょう?という忖度はしてくれません。
自分の意見は、どんなに当たり前の事や皆知っているよという事でも、知っている上で自分の意見はこうである、と相手に話す事が必要です。
実際、この点において日本人はとても損をしているなぁといつも思ってしまいます。
ちゃんと理解しているのに、それをどう理解しているかを表明しないので、周りから理解していると思われずに終わっている場面の何と多い事か。
またボディーランゲージも大切な要素なので、ここをきちんと出来ている日本人も少なく感じます。
慣れるまでは恥ずかしいかもしれませんが、大きい身振り手振りで話す事は表現としてとても重要なファクターです。
逆にこれも多いのですが、日本人はよく会話の中で腕組みしているのですが、これは相手を拒否するニュアンスのあるボディランゲージになるので注意が必要です。
自分の意見を表明する際にお勧めするフレーズは、以下の例を挙げられます。
“I suggest that … “
“I recommend … “
“Personally I think that … “
“Under my understanding, …“
絵画暮らしにおいて自分の意見を持つ事や、意見を常に伝える事の重要さについてはこちらの章で詳しく!
とにかく相手を褒める
上司が部下に接する例でも既述ですが、海外で仕事をしていると相手をとにかく褒めたたえます。お互いに褒め合うのが文化ですね。
この後、反対意見を言う場合の英語にも触れますが、その場合でも必ず最初に「頑張ってくれて本当にありがとう。」と加えてから、「ただ、…」と切り出します。
例えば上司が部下を褒める表現としてはこんな感じです。
“Thank you for your hard work for our team.“
“Thanks as always!“
“You have done a really good job.“
“You are excellent person.“
日本人は誉められ下手でもあるので、どう返せばいいかと言うと
“My pleasure.“と胸を張って答えればいいのです。
ビジネスにおける敬語とは?
英語にも敬語表現はあります。
が、まず気を付けるべき事は、“Please”をつければいついかなる時も丁寧だとは思わない事です。特に上司が部下に言う場合において、逆に威圧的に捉えられる場合もあります。
そこはニュアンスなので、具体例を挙げて説明するのは難しいのですが、イメージとしては”Please”をかなり強めに発音する事で威圧感が生まれるという感じです。
では、”Please”に頼らずに敬語表現を使うコツは、出来るだけフレーズを長くする事です。以下の二つを比べてみて下さい。
“Please call me.“
“It would be really appreciated if you kindly called me when you have a spare time.“
同じ「電話をしてください」でも、ここまで違います。
“Would you mind~?“という表現など、初めの内は自分で使いやすい表現をテンプレートとして持っていてもいいかもしれません。
“Please”の誤解した理解と、英語での敬語表現について詳しい章はこちらから是非!
相手を傷つけないビジネスマナーの元に反対意見を言う時
ビジネスシーンでは、必ずしも全て同意見でいられず、相手の意見やアイデアなどに反論する必要性が生じざるを得ないと思います。そういう時でも、敬語表現で反論する事は可能です。
“I hesitate to say, but…“
“It’s hard to say, but…“
“I didn’t mean to be rude at all, but…“
“I partly agree with you, but I have a different perspective as well.“
“Would you mind if I tell you another point for this issue?“
“I don’t know if I could agree with you at this point.“
基本的には英語を話す時は、短く、簡潔に、要点を先に、というスタイルで統一するのが、周りからの評価が高くなるという点でお勧めなのですが、こういう回りくどい長い表現になる事である種の敬語表現になるという側面があります。
そういう違いを経験によってマスターし、ベストな表現を話せるようになるといいですね!
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