効果的な接続詞は、あなたを『話が明確なビジネスパーソン』に
海外で働く事になったあなた、または日本で外資系の会社や英語が公用語の会社に就職したあなたは、常に自分の意見を発信する事を求められます。
この場合に必須となるのが論理的に意見を伝え、その内容を理解してもらう事です。ここをクリアにできないと、ロジックの弱い人というレッテルを容赦なく貼られてしまいます。
この問題を考慮した時に、キーとなるポイントは以下の三つかなと思います。
- 三段論法を駆使して、常に相手が納得できるロジックで話す
- 豊富な語彙力を使い分ける事で、話を聞くべき人という印象を与える
- 話の最初、途中、まとめの所で効果的にアテンションを得る
そしてこの三つに同時に貢献できるのは、効果的な接続詞の使い方です。
英語を話すビジネスの現場で、あなたがロジック力の高いビジネスパーソンとして評価を上げられるよう、どのような接続詞を駆使すれば効果的かを絞り込んでみたいと思います。
ロジックの大切さをおさらい
この章の前提として、なぜ接続詞を効果的に使えばロジック力を上げられるかについてさらっと確認します。
例えば以下の会話を見てみましょう。
A: “According to this research, people tend to make their decision more for online shopping if the shipping fee was less than $5.”
「この調査によると、ネットショッピングでは送料が5ドル以下の方が、人は決断しやすい傾向にあるそうです。」
B: “However, we set $10 as the shipping fee on our EC site.”
「しかし、私達のECサイトでは送料を10ドルに設定しています。」
C: “That’s why, let’s decrease it down to $5 to gain more turnover as soon as possible.“
「だからこそ、売り上げアップの為に一刻も早く5ドルに値下げしましょう。」
- Aの発言の信ぴょう性が高ければ、
- Bの発言で我が社の現状がそぐわない事が分かり、
- その事実によってCの発言を決定する論理が通っていますね。
この時、それぞれの発言には接続詞が効果的に使われている事が分かるでしょう。
では以下、それぞれの効果別に厳選した一覧を紹介していきたいと思います。
話の切り出し
相手と議論する時のコツの一つは、発言する時にいかにアテンションを得られるかですよね。上の発言Aで言えば、「この調査によると、」です。
これから話しますよと切り出す時に効果的な接続詞を用いる事で、皆の視線を集められますね。
- In terms of 「~に関して」
- In fact, 「実際のところ」
- Actually, 「実際のところ」
- According to 「~によると」
話を繋ぐ
一つのロジックを次のロジックに繋げて正当性を補完したい場合、トピックの橋渡しの役割りを果たす繋ぎの接続詞が有効です。
- In addition 「加えて」
- Besides 「加えて」
- Moreover 「更に」
- Furthermore 「更に」
- Likewise 「例えば」
これら接続詞を挟むことによって、これまでの話の流れを維持しながら「更に」「それに加えて」と、次の話で補完する事ができます。
一つ例を挙げますね。
“This headphone is designed with the latest fashion trend. Furthermore, this completely shuts down outside noise to be wear.”
「最新のファッショントレンドを取り入れたデザインのヘッドホンです。さらに、これは完全に外のノイズをシャットダウンして着用することができます。」
話を具体化する
あなたの話に信ぴょう性や共感を持ちやすくするためには、出来るだけ相手がイメージを具現化できる表現や説明が必要です。
「具体的には」「例えば」
その一つは、何か具体的に想像する事でより納得し易い例を提示したり、話を深堀してより具体的なイメージを持ってもらうのが効果的ですね。
この場合の具体的な例を示すための接続詞は以下の通り選びました。
- In concrete 「具体的には」
- For instance 「例えば」
“In terms of the most of trends in Japan, their lifespan tends to be shorter than other countries. For instance, ‘Pearl Tea’ trend has finished almost in a half of year.”
日本のトレンドの多くは、他国に比べて寿命が短い傾向にあります。例えば、「タピオカティー」のトレンドはほぼ半年で終了しています。
「もし~なら」
いわゆる仮定法です。
これも、話を具体的にイメージするために「もし~だったら、こうではありませんか?」という話ができます。
ビジネスで使われる仮定法がいかに簡単で便利かは、別な章で仮定法だけを詳しく説明しているのでよければこちらをご参照ください!
比較する
物事を一つだけ単独で説明するのではなく、何かと対比する事でより分かり易くなる事は多々ありますね。タバコの箱と比べて実際の大きさを推測できるのも同じ効果です。
あなたが、聞き手によりイメージを具体的に抱かせたい時には、そうした比較の接続詞を使うと効果的です。
- not only A but also B 「AだけではなくBも」
- not A but B 「AではなくB」
- either A or B 「AかBのいずれか」
- whether A or B 「AかBのいずれか」
- neither A nor B 「AでもBでもなく」
こうした「Aは可、Bは不可」、「AもBも可」、「AもBも不可」などの説明はより具体的なイメージと共に伝わり易くなります。
ダイアログで例を挙げる事も「より具体的」ですね。
“We believe our boss wants to select either A or B.“
「上司はAかBのどちらかを選びたいと思っています。」
“In fact, we cannot choose A due to the contract matter.”
「実は契約の問題でAを選ぶことはできません。」
“Then, we will choose B.”
「そうすると、Bを選択することになりますね。」
条件を設定する
話を具体化する一つの手法だと思いますが、ある条件をつけて話のポイントを浮き彫りにする事で、重要な事を明確に伝える効果があります。
例えば「〇〇する限りにおいては、」という限定的な条件だったり、「いつまでなら」という時間的な条件もあるでしょう。
この目的で使い易い接続詞は以下の通りです。
- As long as 「~する限り」
- Even if 「例え~であっても」
- Unless 「~しない限り」
- Only if 「~の場合に限っては」
- Until 「(何時)まで」
“As long as we keep on producing this product, we are going to be able to maintain our main regular customers.”
「この商品を作り続ける限り、主要顧客を維持していくことができそうです。」
「しかしながら」
次に、持っていきたい結論や主張したいポイントをより浮き上がらせるために、相反する事例を引き合いに出す事で対比の大きな効果を上げる事ができます。
- Although 「~だけれども」
- However 「しかしながら」
- Yet 「しかしながら」
一番最初のダイアログで言うと、”However”を使ったBの発言がそうですね。
「いっぽう」
「いっぽう〇〇では、」というように一旦別の視点を取り入れて視野を広げたり、新鮮なアイデアを取り入れたりする事が出来ます。
その時は話題を変える事を促す接続詞の活用が有効です。
- On the other hand 「いっぽうでは」
- While 「そのいっぽう」
- Meanwhile 「そのいっぽう」
- Whereas 「〇〇であるのに対して」
“Japanese companies prefer to hire the graduates, while Americans surely do experienced workers.”
「日本企業は新卒者を採用したがるが、アメリカ人は確実に経験者を採用している。」
「それゆえ」「結論として」
最後は結論をまとめる時に、再び一旦アテンションを得るための接続詞です。
- Consequently 「それゆえ」
- Therefore 「それゆえ」
- As a result 「結論として」
- That’s why 「それゆえ」
少しゆっくり間を取りながら、この接続詞で聞く態勢を持ってもらった上で、もう一度話の主旨を結論として述べる事で、あなたの話は明確に理解されるに違いありません。
“Consequently, we should launch food delivery as our new service.”
「それゆえ、新サービスとしてフードデリバリーを開始すべきです。」
結論~会話をコントロールできる接続詞
これまで、ビジネスの場面で英語を話す事を前提に、プロフェッショナルとしてしっかりとしたロジックで明確にメッセージや主張を相手に伝えるための武器である接続詞を紹介しました。
- 話を切り出す時にアテンションを得る
- 話をナチュラルに繋いで話の内容を補完する
- 話を具体的なイメージと共に理解し易くさせる
- 反例を用いる事の対比で趣旨を浮き上がらせる
- 話の視点を広げたり変えたりする事で、視野を広げる
こうした会話のテクニックを駆使しながら、あなたがロジックに強いデキるビジネスパーソンとして一目置かれる事を願っています。
これまで挙げてきた例の中にも登場していますが、接続副詞についての詳細を別な章でまとめています。接続副詞を使う例文や、使用上の注意なども参考にしてもらえると思います。
もしお時間があれば是非!