日本語と英語で、メールの書き方の違いを知ろう!
現代のビジネスシーンでメールのやり取りをしない日はおそらく無いでしょう。
だからこそ、日本語と英語、日本の常識と英語圏の国々の常識の違いを知らず、正しいと思って送信したあなたのメールが、実は笑われていたりする事の無いよう、やはり基本は抑えていた方がいいと思われます。
逆に、しっかりとルールや慣習に沿った形でメールの送受信を出来れば、それだけで一緒に仕事のし易い、出来る人材と思われる可能性が高まるという事になりますね。
この章では、そんな相手の印象を左右する英語のビジネスメールの書き方の基本的知識について6つに絞って説明します!
これだけは常に意識しておきたい英語メールの重要ポイント
一言で言えば、とにかく用件だけ短く!です。
どれ位短くかと言うと、出来る限り短くです。
短いメールにする為にはいくつかのコツと言うか、押さえておくべき注意点がありますので、それぞれについて詳しくお伝えしたいと思います。

時候の挨拶は入れない
日本語のメールの書き出しを思い出してください。改まったハガキや便箋を使用した手紙までいかなくとも、メールの出だしでも時候の挨拶から入っていませんか?
例えばこんな感じですよね?
「寒さが厳しくなって参りましたが、益々ご健勝の事と思います。」
ちょっと固すぎますか?
「平素よりお世話になっております。いかがお過ごしでしょうか?」
こんな感じでしょうか?そして以下の様に続きますよね?
「先日は〇〇の件におきまして、大変お世話になりました。お陰様でプロジェクトを大幅に前に進めることが出来ました。誠にありがとうございました。」
英語のメールでは、こうした出だしの挨拶的な社交辞令は一切使いません。
結論だけ、もしくは結論から書く
次のポイントは、出来れば結論だけ書くという事です。
日本語のビジネスメールを思い起こした時に、以下の様になりがちでは無いでしょうか?
『〇〇様
省略~時候の挨拶、社交辞令~
〇月△日、弊社△△部門と☐☐部門、及び関連会社数社による定例会議を開催しました。会議参加者による活発な議論を重ねましたが、昨今の景気悪化と株価の推移の今しばらくの様子見が必要な事と、プロジェクト候補地の契約問題の最終チェックが終わっていない事、プロジェクトメンバーの人選に再考の余地がある事などを鑑み、次期プロジェクトの最終予算決定は、来月まで持ち込まれる事となりました。何卒ご理解の程、よろしくお願いいたします。』
日本語でメール作成される場合、ビジネス上の丁寧さを求める余り、このように最後まで読まないと結論が分からないフォーマットが多くなりがちではないでしょうか?
この同じ出だしと内容部分は、英語のビジネスメールでは以下のように書かれます。
『Hi, 〇〇
今回の会議の結果、次期プロジェクトの予算決定は来月までペンディングになりました。』
これで終わりです。プロジェクトの延期になった理由については併記されない方が多いと思います。
この点が、日本人には慣れるまでとても難しく感じる課題となります。弥助も今でもその理由にあたる部分が知りたいのに!と無駄なやり取りを強いられる時もあります。
この二度手間を防ぐためには、最初からプロジェクトがどうなったか?その理由についても教えて欲しいと、問い合わせる最初のメールに記述しておく必要があります。
相手がそこをちゃんと汲んでくれれば、結論の後に箇条書きで今後の課題を併記してくれるかもしれません。確率は感覚で70%位です。
英文ビジネスメールの正解例文

上記二点を踏まえて英文ビジネスメール例文を作成すると、以下のようになります。
“Dear (Hi) 〇〇,
Regarding to budget of the next project, our final decision will be made in the next month.
Best Regards,
Yasuke “
出だしから、最後の自分の名前までこれだけなんです!!
もし英文ビジネスメールに慣れていなかったら、何?何?もしかして自分嫌われている!?ってちょっとパニくりませんか?
これはもう数をこなしていけば慣れていくので、自分のメールもこれに近くなってきます。心配しなくても大丈夫です。
ビジネスメール力UPの為の4つの注意点
上記のビジネスメールは出来るだけ短くという基本を踏まえた上で、更にいくつかビジネスメールならではの注意点が存在します。

カジュアルになり過ぎない
日常表現、特に口語体表現は避けた方がプロフェッショナルだと思います。
例えば、冒頭に”How are you?”を使うとか、結びに”See you later.”を使うとかは避けた方がいいですね。
既にその挨拶はいりません、が正解ですが、もしどうしても使いたければ、以下の表現に置き換えましょう。
“I believe (hope) you are well and healthy.“
“I look forward to seeing you soon again.“
略さない
カジュアルになり過ぎない一環ですが、単語を省略しない方がプロフェッショナルです。英語では省略の事を【abbreviation】と言います。
例を挙げるなら以下のような感じです。
- CU(See you)
- Thanx(Thank you)
- BTW(By the way)
- Grad (Graduate:大卒、院生)
- LOL(Laugh out loud)
- MGMT (Management)
- ASAP(As soon as possible)←これは見かける事もあります
Pleaseは時に威圧的
Pleaseさえつけていれば、文章が丁寧になると思いがちですが、実際の所は時に威圧的なニュアンスになる事があり、逆にRude(失礼)になる事があります。
どう回避すればいいかなど、もう少し詳しく解説している章がありますので、そちらもご参照頂ければ。
ここでの改善策は、逆行しますが文章を少し長めにする事が鍵になります。
ユーモアは大丈夫?
ビジネスメールでは基本的に用件は短く済ますのが基本なので、ジョークを言ったり、人間的な温かいカジュアルメッセージを送る事も余りありませんが、ゼロでもありません。
何度かやり取りしている相手であれば、顔を知っていれば尚更ですが、そういうやり取りにもなります。
そういう時は、妙にほっこりしますし、相手との距離が縮まる事もしばしばです。
例えば、最近のコロナウイルス禍の中、中々直接会えないビジネス関係の人々に添える一言として、実際に以下のように言ってます。

“Wish a day when we can have a cup of coffee together is coming back soon!“「早くまた一緒にコーヒーが飲めるようになるといいね!」
相手も「本当に!」というリプライを返してくれますね!

ビジネス上のユーモアセンスについては、こちらの章で詳しく解説しています!
結論~ビジネスメールは慣れるまで、とってもそっけない!~
この章のおさらいをすると、以下の点に気を付ければ、ネイティブの使うビジネスメールの慣習を違和感なく取り入れられるはずです。
- 時候の挨拶を抜く
- 本文は短く二~三行の結論だけ
- 締めの言葉もいらない(Regards,だけでOK)
- カジュアル過ぎない
- 省略【abbreviation】を避ける
- Please は適度に適切に使用する
- ユーモアは交えて全然大丈夫
日本人の感覚からすると、本当に英語のビジネスメールはそっけなく感じます。
これでいいのかな?という思いは当初の内は常につきまとうと思いますが、とりあえず郷に入っては郷に従い、自分の感覚が慣れるまで上記の点に注意して続けてみて下さい。
慣れてしまうと、日本語のメールが面倒くさくて…。