留学生しか受けられない日本の大学の帰国受験、計り知れない留学のメリット

4-1. 留学中の通じる英会話
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留学後進路と留学のメリット ~帰国受験編~

日本では少子高齢化の波により、どんどん子供の数、ひいては受験生の数が減ってきた結果、2020年になったら高校生の受験が緩くなり、大学に入り易くなったかと言えば、答えは二極化しています。

  • 一流難関大学入学への難易度が下がったかと言うと、全然下がらない
  • 三流大学へは形だけの受験で入れてしまう

相変わらず、難関大学入学の厳しさは変わっていないという事です。

高校留学できる家庭は裕福な傾向が高いと思うので、日本にいても有名な塾に通って難関大学に合格できるかもしれません。

しかし高校留学する事には、貴重な海外経験と語学力を得られる上に、進学の可能性が更に高まると言える有利な点がいくつもあります。

高校留学するとなぜ進学に有利になるのか、それぞれの進路先毎に示唆してみたいと思いますが、この章ではまず日本への帰国受験に絞り、実際どういうメリットがあるのかをまとめて、前後編の前半としたいと思います。

日本への帰国進学~同じ土俵で戦わない~

高校卒業と同時に留学は終了し、日本に帰国して大学生になる道を選ぶ学生は、もちろん毎年とても多いです。

留学する前は大学も海外でと考えていても、いざ体験してみると海外の学校の授業の厳しさについていけない、文化が合わない、食べ物が合わない等の様々な理由で、自分にはやっぱり日本が向いていると再認識する学生もたくさんいます。

全然それでもいいんです。

留学を経験する事で得られたメリットは、既にたくさんあると断言します。

(詳しくまとめている章があるので、もしお時間があればこちらから!お役に立てれば嬉しいです!)

そして頑張って海外の高校を卒業した学生には、帰国子女受験枠を使う事が出来るという利点が生まれます。

以下、それぞれ具体的にまとめていきたいと思います。

競争が緩い

まず最も大きな特典は、倍率の低い競争で戦えるという事でしょう。

そもそも、帰国子女枠を受けられる条件として何年間か長期に留学していなければなりません。これは授業料だけでなく滞在費も含まれるので、相当な費用である事が一般的です。

その為、そもそも応募できる留学生の数は、一般受験する日本の高校生とは比べ物にならないほど少ない人数です。各学部に100人もいないでしょう

もちろん大学によって入学許可する人数はまちまちですが、応募者の母数に対して、合格者数が極端に少ない事例は見た事がありません。

とにかく日本の受験生の様に、朝から夜中まで学校と塾で勉強漬けになっているにも関わらず、不安で不安で熟睡できないという倍率ではありません。

尋常ではない勉強を強いられてきた日本の高校生の競争に放り込まれると、考えただけでぞっとしませんか?

勉強が出来るトップレベルの子供達でさえ、何番の順位で入学するかという、卒業後のキャリアも見据えた競争に晒されていますしね。

そんな中、もし自分がその競争に交ざらなくてもよい別なトラックを与えられたらどうでしょう

人が浮き上がるほどギュウギュウ詰めの満員電車なのに、自分の車両だけスカスカだったらストレス減りますよね?帰国子女受験はそんなイメージです。

大学の欲しい人材である

もう言われて久しいですが、グローバル社会の進行は止まるどころか、緩やかになる兆しすらありません。

日常的な会話から、学会、企業内の会議まで、これからは更に英語のスキルが求められてくるでしょう。

AIの台頭と翻訳アプリの進化によって、そもそも英語を話せなくてもいくらでも代用可能で、業務遂行には差し支えない時代になりつつあるという人もいます。

しかしコミュニケーションの為の手段・ツールが英語である以上、自分自身が直接英語を話すコミュニケーションと、デバイスに媒体させるコミュニケーションでは、温度差が生じる事は否めません

人間と人間が直接、または画面越しでも対峙する時には、やはり何の時間差もなく、ジョークなども言い合いつつ、お互いの表情の変化を見ながらやり取りできる重要性は変わらないと思います。

簡単に言えば、英語は話せないより話せた方がいいという事ですが、企業の採用にも影響を及ぼすという点において、卒業生の就職実績を常に向上させたい大学側にとっても重要なポイントなのです。

つまり、留学生は大学にとって入学させたい学生である事は間違いありません。

受験科目が少ない

一般入試の場合は、文系・理系それぞれに何科目も勉強する必要があります。

一般的には広い科目をカバーする上で、ほとんどの場合苦手科目が出てきちゃいますよね。文系なら古文が点数取れない、理系ならどうしても生物が苦手など。

一方、留学生に求められるのは、大学ごとに差異はありますが、基本的には小論文と面接、それにTOEFLやIELTS等で証明出来ない場合等に英語といった感じで、対策する範囲が一般入試と比べてめちゃめちゃ狭いんですね。

もちろん、海外の高校の卒業証明書が必要になりますから、在学中にそれなりの数の科目を落とさない様に履修しなければなりませんので、ここの大変さは日本の高校生よりも難易度が高いかもしれません。

要は、全てにおいて100%簡単な道は無いという事ですが、受験にフォーカスする限りでは、小論文対策をしっかりとして、面接でちゃんと受け答えが出来る様に自己分析や何を成し遂げたか等の経験について、まとめておく必要もあります。

しかし、ここにも帰国子女を対象とした塾のコースや、進学コンサルタントのようなエキスパートがいるので、助言を求めながら準備する事が出来ます。

日程とセカンドチャンス

最後に、受験スケジュール面でも有利な点があります。

通常、帰国子女受験というのは、海外の学校の入学・卒業時期の違い等もあり、一般入試の何ヶ月も前に行われます。

大学・学部によっても異なりますが、日本の秋ごろまでには大方の結果が出ます

という事は、万が一帰国子女枠での受験に不合格でも、一般入試にはまだまだ間に合いますから、勉強し直して普通に受験するというセカンドチャンスも、得ようと思えば得られる訳です。

一般入試と同じ様に、先に滑り止め大学で面接や小論文を受けて練習してから、本番の帰国子女受験を行い、それでも合格しなければ一般入試に切り替えるといういくつものステップを踏める日程的なチャンスがあるのです。

結論~帰国子女枠を使えるメリットは計り知れない~

かつて受験戦争という言葉が使われた時代の記憶と比べても、小学生すら含めた今の日本の子供達の塾通いの現状は、少し大丈夫かな?と思ってしまう程過熱し続けていると感じています。

弥助が日本に帰省する度に増えている、駅前に林立する塾の数にも表れているのではないでしょうか?

そんな塾通いの屈強な受験ソルジャー達と闘わなくていいどころか、これまでお話ししてきた以下のメリットまであるのです。

  • 競争が緩い
  • 大学の欲しい人材である
  • 受験科目が少ない
  • 日程とセカンドチャンス

改めてまとめてみて、この帰国受験の部分だけにフォーカスしたとしても、やはり高校留学のメリットは計り知れないと思わざるを得ませんね。

次の後編の章では、現地進学を希望する場合に高校留学がどう有益なのかをお伝えします。お時間がありましたら併せて是非!

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