学生ビザはお金で買えるビザ?
前回に引き続き、海外で暮らす為に必要となるこのビザについて、どういう種類があって、どういう方法で取得可能で、どれ位難しいのかについて、何回かに分けて示唆してみたいと思います。
たまにビザに関する質問として「学生ビザはお金で買えるんですか?」と聞かれます。
結論から言うと、「YesでもありNoでもある」です。
この章では、留学のタイプ別に必要な学生ビザの種類について、それぞれの特徴に裏話を交えてお話します。
短期留学のビザ
留学業界において、ここで紹介するあらゆるタイプの留学にワーキングホリデーを加えた全員をパイの100%とすると、この短期留学が占める割合は、約75%。
留学業界においては、最も力を入れている客層と言えます。
短期留学の特徴は、対象が学生から社会人までとても幅広いという事です。
中高生ならサマースクールやジュニアキャンプなどと呼ばれるプログラムがありますし、本格的な長期留学の前に、実際の通学を通してその学校を知る目的の体験入学もあります。
大学生なら、現地の語学学校に語学留学とか、最近の留学業界のトレンドとしてはフィリピンに行ってマンツーマンレッスンを受けるなどがあるでしょう。
社会人なら、語学留学に加えて短期インターンシップなども考えられるでしょう。
そして、基本的には90日以内であれば日本のパスポート所持者であればビザなしで滞在する事が可能なケースもありますし、オーストラリアの「ETAS」やアメリカの「F1ビザ」などがあれば短期留学可能となりますが、いずれも取得も簡単で時間もかかりません。
長期留学のビザ
長期留学のメリットは、英語を話す環境で長期に渡って集中的に勉強する事で以下の様な成長を期待できます。
- 「書く」「読む」「話す」「聞く」の4技能が格段に上がる
- 発表やディベートが多い教育方法により英語でのコミュニケーション力が強くなる
- 性格的に自立する
- 自分の意見を言える
- 自分の人生を楽しむ為の自信がつく
- 視野が広がる
必要になるビザは「学生ビザ」です。
これは、その国が認定した語学学校や中高、大学に入学する前提で発給されます。
特待生等でない限り、奨学金を期待できない場合の授業料は高額で(留学生は現地学生より授業料が2~3倍します)、生活費も別途かかる為、総合的にかなりの費用がかかります。
また、出席率にとても厳しく、通常80%~90%位の割合で出席しないと、あっさりと学生ビザを取り消され強制退去になります。
しかし、高額な費用がかかり、勉強へのコミットも厳しいですが、得られるアカデミックな成果も多々あります。
もし現地校を卒業した高校生が日本の大学に進学したい場合は、一般入試とは異なる帰国性枠を使う事が出来ます。
英語をしっかり勉強した学生であれば、一般入試よりも合格する可能性が高まる面があります。
大学生であれば、大学卒業時に「卒業ビザ」を申請できる場合があります。
このビザにより、更に数年実際に現地企業で働きながら、ビジネスビザや永住ビザといった次のステップを考える事が出来る様になります。
大学留学、大学院留学、海外でのMBA取得者などは、外資系企業をはじめ、日本の大手企業でもグローバル人材として入社できる可能性が上がる面も考えられます。
他にも、アカウンタントやシェフ、Webデザイナーやプログラマーなど、手に職系の学位・資格を取得して、その国に求められている職業リストに基づいて永住権を申請できる道も模索可能です。
ビザ取り学校~魔法のもう一年~
そして、第三の留学の道として、ビザ取り学校の存在があります。
これは、どうしても滞在期間を延ばしたい時、例えばワーキングホリデーで来ていたけど、現地の彼氏が出来たからもう一年一緒にいたい、その間にパートナービザの申請を準備したいなど、様々な理由で滞在を延長したい場合に使える裏技のようなものですね。
基本的には「学生ビザ」です。
よって、学校(授業料)と国(ビザ申請費用)に支払う費用はやはり高額ですが、異なる点が授業のボリュームの少なさです。
授業内容としてはビジネスコースとか、かなり漠然としているのですが、週に1~2回登校すれば良いなど、アテンダンスが緩いのが特徴です。
アサインメントや試験も厳しくなく、そうそう落第させられる事もありません。
それ以外の時間をアルバイトなどに費やし、生活費を稼ぎながら滞在するモデルですね。
実際、この1年のビジネスコースを修了した所で、何物にもなれないでしょう。ビザをお金で買う典型的な魔法です。
結論~王道から「次のステージ」へ~
学生ビザを取得し、王道の留学生活を歩むことが出来れば、投資額は相当高額になるものの、長い目で見れば余裕で回収できる程、恵まれた年収の職業に就く道も開けます。
そして、前述の「卒業ビザ」やビジネスビザ、更には永住ビザへと繋がる道も見えてきます。
言ってみれば、とても選択肢の多い人生を手に入れる事ができる可能性があります。
気を付けなければならない事は、海外の高校や大学は出席率にも進級試験の結果にも、容赦なく厳しいという事です。
この厳しさに耐える事は、自分自身の経験上からも相当辛いです。もちろん、人生の中で最も勉強漬けになった期間です。平日の睡眠時間は平均3時間位でした。
この厳しさに打ち勝った学生にだけ、「次のステージ」に繋がる道が開けます。
その道は、日本での生活に繋がるかもしれませんし、そのまま海外で暮らし続ける生活に繋がるかもしれませんが、あなたは選ぶことが出来るのです。
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