海外で病気になるのは不安なもの。もしもの場合をシュミレーション
留学中、軽い風邪から入院が必要になる病気まで、何かしら病院に行く必要が生じた場合、最低限以下の事を知っておけば、本人も保護者も安心ですよね?
- どういう手順で、
- 誰に相談し、
- どこで診療・治療を受け、
- どう支払いするか?
この章では、留学中に病気や怪我をしてしまった場合の対応をシュミレーションし、予防から受診、支払いについてまで必要な知識を得られるよう、流れで示唆してみたいと思います。
まずは予防しよう
もちろん一番いいのは、病気にもならず怪我もせずに卒業まで全うする事です。
皆、地味なので敢えて意識しませんが、やはりベストなのはしっかりと予防する事でしょう。根っこでは分かっている事だと思うので軽くだけ触れておきましょう。
- 病は気から!健康な精神状態を保つ
- 良質な睡眠を十二分に
- 偏食はしない、摂食過食をしない
- レギュラーエクササイズを習慣に
ホストファミリー宅で
ではまず、ホストファミリー宅にいる場合に具合悪くなった時の対応から見ていきましょう。
少し具合悪い場合
頭痛がする、熱はないのに咳が出る、怠い。そんな病院に行くほどでもないと思われる症状の時は、とりあえず薬を飲んで様子を見るのが普通です。
海外、特にアメリカの様に皆保険でない国において、現地の人々ですぐに病院に行く人は多くありません。大抵は薬屋さんで買ってきた薬を飲み、風邪の時に栄養を取るオレンジジュースやコーラなどを飲んで、とにかく寝て治します。
海外の薬はとても効き目が強いので、合わない人には本当に合わないようですので、日本から自分に合う薬を持っていく事も重要です。
では、念の為英語で薬屋を何と言うかも載せておきますね。近所でどこにあるかチェックしておくといいかもしれません。
- pharmacy
- drugstore
- chemist
また、現地の人がこれさえ飲んでいれば大丈夫と言う代表的な薬も挙げておきますので、風邪の症状に何を買えばいいか分からない場合に参考にしてください。
- Tylenol
- Lemsip
- Panadol
結構しんどい場合
まずはホストファミリーに相談します。自分の症状を伝えましょう。ポピュラーな英語での言い方をリストアップしておきましょう。
- I have a headache.「頭が痛いです」
- I have a stomachache.「お腹が痛いです」
- I have a fever.「熱があります」
- I feel like vomiting.「吐きそうです」
- I have vomitted what I ate.「食べたものを吐いてしまいました」
- I have a diarrhea.「下痢の症状があります」
- I have a sore throat.「喉が痛いです」
- I feel dizzy.「めまいがします」
海外では、どの家庭でも『ファミリードクター』又は”GP(general practitioner)”と呼ばれる掛かりつけの開業医がいます。
あなたが、上記の症状を訴え、ファミリーも医者に行った方が良さそうだと判断した場合、まずはこのファミリードクターの所に連れていかれると思います。
海外では、総合病院のような大きな病院にアポイント無しで行っても、受付自体してくれない事さえありますし、受付できても日本では考えられない位長い時間待たされます。
そういうシステムなので仕方ないんですね。
ですので、まずはファミリードクターで診察を受けた結果、より詳細な検査が必要だとなった場合などに、紹介状を書いてもらった上で総合病院に行くという流れになります。
また、もしあなたがまだ英語に自信が無くて症状が上手く伝えられない、かつ留学エージェントの現地サポートを受けられる場合には、担当者に連絡してファミリードクターの所に通訳として一緒に同行をお願いする事も出来るでしょう。
GPにも、日本語が通じる医療センターが存在する街もあります。
夜間などの緊急時
ファミリードクターが開いていない時間に具合が悪くなった場合、自力で動ける場合は、ファミリーやエージェント担当者の同行の下、大きな病院の救急対応セクションを訪れる事になります。
英語では”Emergency Department“と言います。
夜に突然熱が出たり、咳が止まらなくなったり、お腹が痛くなった場合は、ファミリーを起こして以下のように言い、救急に連れて行ってもらいましょう。
“I have a terrible stomachache. Please take me to Emergency Department.“「とてもお腹が痛いので、病院の救急に連れて行ってください」
一つ覚悟しなければならないのは、やはりあり得ない位長時間待たされる事がほとんどだという事です。4~5時間なんてざらな世界です。
あくまで救急なので人命に関わる案件から処理されていくので、そうした具合が悪いという位の症状は後回しにされてしまうんですね。
ぐったりして動けない、又は重症の怪我を負った場合
自分の力ではもう全くベッドから起きられもしない、または予期せぬ大けがを負ってしまった場合は、もう選択肢は救急車を呼ぶしかありません。
“Please call an ambulance for me. I may have a terrible fever.“「救急車を呼んでください。酷い熱があるっぽいです。」
英語で救急車は“ambulance”ですね。
この場合、自分の海外旅行保険が救急車に対応しているか、事前に確認しておかなくてはなりません。
何故なら、海外で救急車を呼ぶと高額な費用を請求されるからです。保険でカバーされていないと数万~10万円ほど請求されます。
学校にいる時に具合が悪くなったら
次に、学校にいる間に具合悪くなった場合の流れについてみていきましょう。
学校には大体の場合スクールドクターやスクールナースと呼ばれる医療従事者が常駐しているか、もしくは学校の傍にあるGPと提携しています。
ですので、あなたはもし授業中に具合が悪くなったら、手を挙げて先生に伝え、スクールドクターの元に向かいましょう。
もし駐在しているドクターやナースがいなければ、留学生担当の先生の元へ行き、近所のGPに連れて行ってもらいましょう。
自分が具合悪くなった場合に備え、スクールドクターの有無や、もし具合が悪くなった場合に訪れる先生、近所のGPの事についてなど調べておきましょうね。
ホスト宅へは、留学生担当の先生が送り届けてくれると思いますが、難しい場合は留学エージェントの担当者に連絡して迎えに来てもらうといった方法も考えられます。
医療費の支払いについて
更に支払いについても、あやふやでは心配でしょう。医療費の支払いについても基本情報をまとめてみます。
高校生であれば強制的、大学生でも半強制的に、日本からの留学生は基本的に海外旅行保険への加入が求められます。
もし保険に未加入だった時、医療費はめちゃめちゃ高額になってしまいます。風邪を引いただけの受診だって150~200ドルかかってもおかしくない世界です。
ですので、渡航の際には必ず海外旅行保険に加入した方が安心です。
加入している保険会社と提携のある病院では、保険契約証を提示すれば自動的に保険会社に請求されるので、GPや病院の窓口で学生が支払いをする必要がなくなります。
つまりキャッシュレスで受診できる事になります。
提携していない病院であっても、保険会社のサポートデスクとやり取りしつつ、病院にも請求は保険会社にと伝えれば、同じ様にその場での支払い無しで大丈夫になるケースもあります。
もし、保険契約証などが手元に無い、分からないなどの場合は、その場ではカード等で支払いをし、後日保険会社に病院からのレシートを提示して請求できます。
保険への加入料は1年間の留学で25万円~35万円位という感じでしょうか。
結論~備えあれば憂いなしは本当~
保護者のいない海外で病気や怪我をするのは不安以外の何物でもありませんね。
皆が安心でいられる為には、本人、保護者、ホストファミリー、学校の先生が、日ごろから上記の内容を共有しておくという事に尽きます。
- まずは、自己責任として日頃から予防し、
- ホスト宅にいる時に具合が悪くなった場合の対応を確認し、
- 学校にいる間はこういう対応になると確認し、
- 万が一の時の支払いの為に病院を確認、保険契約証を携帯する
更に、GPや病院での問診に求められる英語という問題もあります。もし、自信が無ければ、または持病などがあって必ず伝えなければならない重要な事などがあれば、必須の英語のメモを保険契約証と一緒に携帯する必要もあるでしょう。