留学・海外就職に失敗しない5つの秘訣 ① 【ダイバーシティって何?】
留学、海外就職を考える上で避けて通れないのが、「ダイバーシティ(diversity)」についてです。
直訳すると「多様性」と言われます。
島国かつ単一民族の国である日本だけで暮らしていると、例えコンビニの店員さんが外国籍の人達ばかりになろうと、外国人旅行者が増えようと、あまりダイバーシティという言葉が実感できていないのではないかと思います。
彼らと直接交流がないからですかね。
なぜ英語を学ぶ上でダイバーシティへの理解と尊重が重要で、あなたが海外暮らしに向いているかいないかという話になるのでしょう?
それは全ての土台であるコミュニケーションにおいて、英語圏では常に身近にある必須だからです。世界と繋がる秘訣として、絶対に必要な資質だからです!
この章の終わりには、英語を勉強するあなた自身の中のダイバーシティについて、過去はどうだったか、そして未来にどうしていくかを考える頭になっている事でしょう。
日本にダイバーシティは無い?
千年単位で語れる島国日本人の素晴らしい歴史。世界中から称賛される天皇家の意義を考えても、日本は世界に誇れるユニークな特色を持っています。正に英語で言うユニーク(唯一の物)です。
では、逆にそんなユニークな日本国内にはダイバーシティは無いのでしょうか?
結論から言えば、もちろんあります。しかし、二つの特徴に分けた時に、一方においてはあまりダイバーシティへの理解が無い、もしくは足りないと感じます。
その二つとは、ポジティブな要素とネガティブな要素における違いです。
一口にダイバーシティと言っても、視点によって様々に細分化できます。
- 社会構成の多様性
- 老若男女の多様性
- 国籍や言語、文化・習慣の多様性
これをポジティブな要素から捉えた場合、例えば社会環境においては、これまでは大企業の社員だけが享受できていたような収入に10代や20代のYoutuberがあっさり肩を並べてしまうのは、正にエリート定義のダイバーシティです。
昔に比べて女性の管理職が増えた事、LGBTというワードがメディアに頻出するようになったこと、これらもポジティブな要素です。
ラグビーW杯で、ホストとなった市町村での他国ナショナルチームの歓待も、表面的ではなく本当に心から寄り添って応援した素晴らしい交流でした。
しかし、一旦ネガティブな要素になると、ユニークな価値観や慣習が単一民族内、同じ言葉で浸透している故、「知らない人、事、物」をどう扱っていいか分からない面があるのかもしれません。
陸続きの海外諸国が辿ってきた複雑な歴史を理解する事は難しいです。
エルサレムでなぜあれ程紛争が繰り返されるのかについては、民族や宗教、資源、指導者、背後で糸を引く大国で行われる選挙の事まで知らなくてはなりません。
しかし、地理的に隔たりのある国の現実や歴史に直接触れたり、敢えて深く勉強する機会は日本では圧倒的に少ないです。
何故なら、その機会が少ないからです。あなたの隣の部屋にユダヤ人、反対の隣にパレスチナ人が住んでいたら、もっと考える機会は自ずと増えるでしょう。
身近な生活習慣に関して違うやり方の住人がいると、それが外国人だろうが日本人だろうが、日本の慣習やルールに従わない人を糾弾するばかりで、その違いを少しずつ譲り合う柔軟性に欠けていると思います。
未だに外国人が日本に居住する為の部屋を長期に借りる事は難しいです。
自分も何度も外国人の友人が日本で賃貸契約するのを一緒に不動産屋に行って手伝いました。
日本人である自分が一緒に行って、通訳しながら、何かあった時の連絡係として情報を提供して、初めて借りられるという感じです。
ダイバーシティの資質
留学や海外就職する人に必須となるのは、ダイバーシティを尊重できるか?という「資質」です。
あえて「考えるべき問題」とか言わずに「資質」というのは、努力すれば身に着けられるとか、そういう事ではないからです。
では、まず資質が無い人にはどういう人がいるでしょうか?
すごく極端に述べますが、戦争体験があり実際に○○国の軍に家族を殺されたAさんに、○○国も含めた多様性を受け入れろと言っても、そもそも○○人を受け入れないでしょう。
人種差別ですが、非難できません。
例えば、ある国が反日教育を徹底して子供達に施した場合、成人になってから日本の政治や社会をありのままに認識できずに的外れな憤懣を過激なデモ行動として表現する人もいるでしょう。
あまりの視野の狭さを非難できないわけではありませんが、事実から目を逸らされてきた面に同情は出来るかもしれません。
過去の不幸な植民地支配はどうでしょう?
長い年月占領統治された側の国が、独立したからといって、旧宗主国をありのまま受け入れられるでしょうか?
十字軍がキリスト教の普及という大義名分の下、改宗しない原住民を虐殺した歴史を真実と見るか、誇張された作り話と見るか。被害を受けた国で前者を取れば、キリスト教徒を受け入れる事は無いでしょう。
ここまで極端な白黒で考えずとも、固定観念に縛られてダイバーシティを日常で受け入れられない人達は普通に存在します。
ある部分においてのみ、そもそもの「資質」が無いんです。
例えばイタリアに旅行に行って、人々と交流しないどころか、由緒ある建築や文化を見に行く事すらせず、現地でしか買えない限定品を買いにブランドショップに行くだけの人には、文化的ダイバーシティの資質はありません。
海外における不便さに直面する度、日本ではこうなのにと、自分の常識と照らし合わせて文句ばかり言っている人も国際的な資質が無いですね。
電車が15分遅れる事、店員が謝らない事、待ち合わせに来ない事なんて、海外では当たり前の事です。それにいちいち引っかかってイライラする人は大変です。
あとは、そもそも他人に興味が無い自分大好きな人も資質の無い人です。
また、性的なダイバーシティについてはどうでしょう?LGBTという言葉が浸透してきている現状を認識できていますでしょうか?
LGBTへの理解が今ではLGBTQに、さらにその先に進化している事について詳しく解説した章があります。興味があれば是非!
結論 ~絶対にしてはいけない事~
逆に、ベトナム人がフランスパンを使って独自のサンドイッチを日常生活に浸透させ、海外にもたくさんべトナミーズロールのお店を出店している事は、ダイバーシティ的にどう捉えるべきでしょうか?
植民地化された歴史を克服している人は、その歴史すら自分のダイバーシティに代えています。
こうしたタイプの人は、ダイバーシティの資質のある人です。そして、イコール海外に出ても、と言うかどこに行っても受け入れられて愛される幸せな人です。
韓国人にも、過去は過去、政治は政治と割り切って、日本人の終戦記念日、彼らが言う(日本からの)独立記念日である8月15日に一緒に楽しくご飯を食べられる友達がたくさんいました。
ダイバーシティとは、違う事を知り、違いを受け入れ尊重し、そして前を向く事です。
今では更にコンセプトが進化して、包括的という意味を持つ”Inclusion“という考え方に移行しつつあります。
これは、ダイバーシティで違いを認め合った後、その違いを適材適所で活かしながら社内などのまとまりの中でより深く繋がり合っていく新しいコンセプトです。
グローバルな世界と繋がる為には知らないでは済まされない価値観になっていくと思われます。
そして一つだけ、絶対にしてはいけない事がありますので、最後の最後に。
それは、人種差別です。世界中のどこにもありますが、自分がするのは絶対にタブーです。何故なら、自分がされてはじめて、それがどれだけ人の心を壊すものなのかを知ったからです。
他の秘訣についても興味があれば、こちらからどうぞ!
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