“Would”と”should”ではどっちが可能性が高い?
英語の試験でも頻出ですが、英会話においてさらに必要になる知識の一つが【程度を表す表現】です。
- あの制服を着ている彼は警察官に間違いない、なのか
- ほぼほぼ警察官だろう、なのか
- たぶん警察官、なのか
- いや、警察官じゃないっぽい、なのか
- 絶対警察官じゃないよ、ただのガードマンでしょ、なのか
または、それを動詞で表現する場合は
- 絶対言い切れる、なのか
- 強く思う、なのか
- おそらくそうだろうと思う、なのか
- 自信はないけどそうなんじゃないかなぁと思う、なのか
そういった程度を示す表現は助動詞でも、副詞でも動詞でもいろいろありますが、知識としてあいまいな状態になっていないでしょうか?
この章では、海外暮らし20年の経験の中で
【これだけ抑えておけば程度の表現をほぼカバーできる】助動詞、副詞、動詞をまとめます。
これまであやふやだった知識を徹底理解に変え、自信を持ってスピーキングに使いましょう!
助動詞の可能性ランキング!
助動詞というのは本当に便利なもので、使いこなすことで細かいニュアンスを一言で表現できてしまいます。中学校で習う英語文法の中でも即戦力ですね。
なかでも可能性を表す場合の助動詞を、ランキングにして高い順から並べましょう。
共通の例文として「彼女は、優しい」かどうかの可能性で考えます。
第一位:be動詞
助動詞に行く前に、第一位になってしまうのは「~です。」と言い切ってしまうbe動詞です。
可能性は【100%】です。
“She is kind.”
日本語訳は「彼女は親切です」
英会話ビギナーの人でもシンプルに作れる文ですが、実はこれが最も強く断言している表現になっているんですね。
ビギナーの人が少し自信無さげに、実はものすごい断定した事を言っているって、なんかシュールですね。
第二位:must
第二位は”must“です。
可能性は【95 – 99%】です。
“She must be kind.”
日本語訳は「彼女は親切に違いない」「優しい人に違いない」です
一見、「~に違いない」と強く訳されるので一位かと思われますね。断定のbe動詞の次点に甘んじますが、ほぼ100%で断言できる程度である事は間違いありません。
第三位:will
もしかしたら「え?”will”は未来の事を表す助動詞なんじゃないの?」と疑う人もいるかもしれませんが、”will”には「意思」や「推量」を表す意味もあります。
しかも、その「推量=可能性」の意味では、かなり強い意味を持っており、第三位にランクインするほどです。
可能性は【80 – 85%】です。
“She will be kind.”
日本語訳は「彼女は優しいでしょう」「親切だろう」です。
第四位:would
可能性は【75 – 80%】です。
“She would be kind.”
日本語訳は同上で、「彼女は優しいでしょう」です。
英語の表現において、時制を過去形にすることでニュアンスを少しマイルドにする方法がありますが、”will”の過去形である”would”を使っても同じ効果があります。少し弱い”will”です。
第五位:should
可能性は【60 – 70%】です。
“She should be kind.”
日本語訳は、「彼女は優しいはずだ」です。
学校で”should”を習った時は、「~すべき」という意味だったと思います。もちろんその意味で頻繁に使いますが、もう一つ質問への答えとして、こんな表現も使いませんか?
“Should be.” 「そのはずだよ」
可能性を表す”should”としては同じ使い方ですね。確信はないけど、そのはずという感じです。
あまり使う人が多くないのですが、”ought to“という形で使われる助動詞もやはり「~のはずだ」という意味です。ほぼ同じ強さですが、”ought to”の方が少し強いという意見も聞いた事があります。
第六位:can
可能性は【50%】です。
“She can be kind.”
日本語訳は、「彼女が優しいという事はあり得る」です。
もしかしたら、もっと上のランクを予想したかもしれませんが、ほぼフィフティフィフティの可能性です。
“Should be.”と同じように、”Can be.”と答える事もありますが、意味的にはやはり「あり得るね」くらいの感じです。
「できる」という意味に引っ張られてもっとポジティブそうですが、実は「あり得るかもだし、あり得ないかも」という感じです。
第七位:may
可能性は【30%】です。
“She may be kind.”
日本語訳は、「彼女は優しいかもしれない」です。
日常会話でも頻出する”maybe”が「かもね」という意味なので、どちらかと言うと
“Maybe yes.”のイメージかもしれませんが、実は「違うと思うけど、あるいはそうかもね」という方に近いのです。
そしてこの第七位から第九位までは、ほぼ同じような感じです。
第八位:might
可能性は【30%】です。
“She might be kind.”
日本語訳も同じで、「彼女は優しいかもしれない」です。
“will”と”would”と同じように、過去形にして少しマイルドにする感じでですが、経験上ほぼ同じで違いは見受けられません。
第九位:could
可能性は【20 – 30%】です。
“She could be kind.”
日本語訳は同上の「彼女が優しいという事はあり得る」です。
“will”と”would”、”may”と”might”同様、時制を過去にする事でマイルドにした表現ですが、「できる」という強い意味をマイルドにしたからか、結構弱めになるイメージです。
第十位:be動詞 + not
可能性は【0%】です。
“She is not kind.”
日本語訳は同上の「彼女は優しくありません」です。
最後は、be動詞の否定形ですね。可能性ゼロです。
副詞の頻度ランキング!
次に、こちらも日常会話でよく使うのに、その理解があいまいだと思われる【頻度を表す副詞】です。これを機に完璧にしちゃいましょう。
例文には“I study English at the cafe.”で統一します。
第一位:always
頻度は【100%】です。
”I always study English at the cafe.”
日本語訳は「私はいつもそのカフェで英語を勉強します」です。
またはより具体的に言うなら、”every day”という副詞を使ってもいいですね。最も高い頻度で動詞を修飾する副詞は”always”です。
“every day”と”everyday”の違いについて解説した章があります。お時間があれば是非こちらから!
第二位:usually
頻度は【90%】です。
”I usually study English at the cafe.”
日本語訳は「私はたいていそのカフェで英語を勉強します」です。
いつもではないものの、かなり高い頻度です。
第三位:frequently
頻度は【80%】です。
”I frequently study English at the cafe.”
日本語訳は「私は頻繁にそのカフェで英語を勉強します」です。
良く使われる副詞ですし、理解するにも特に問題はないでしょう。
第四位:often
頻度は【70%】です。
”I often study English at the cafe.”
日本語訳は「私はよくそのカフェで英語を勉強します」です。
実際は、”frequently”とさほど頻度は変わりません。
ちなみに、アメリカの米語では「オッフン」という発音ですが、イギリスの英語では「オフトゥン」と”t”を発音します。
第五位:sometimes
頻度は【50%】です。
”I sometimes study English at the cafe.”
日本語訳は「私は時々そのカフェで英語を勉強します」です。
ここから少し変化が出ます。
時々という意味は、フィフティフィフティと解釈します。
第六位:occasionally
頻度は【30%】です。
”I occasionally study English at the cafe.”
日本語訳は「私はたまにそのカフェで英語を勉強します」です。
“sometimes”の「時々」と、”occasionally”の「たまに」は日本語にすると同じ様な意味ですが、「ポジティブな時々」と「ネガティブな時々」という違いがあります。
第七位:seldom
頻度は【20%】です。
”I seldom study English at the cafe.”
日本語訳は「私はめったにそのカフェで英語を勉強しません」です。
ここから日本語訳も「しません」に変わります。
第八位:rarely
頻度は【10%】です。
”I rarely study English at the cafe.”
日本語訳は「私はそのカフェで英語を勉強する事はほとんどありません」です。
実際の感覚に基づくと、”seldom”も”rarely”もほとんど差はありませんが、後者の方がほぼゼロに近いほど稀であるというニュアンスがあります。
第九位:never
頻度は【0%】です。
”I never study English at the cafe.”
日本語訳は「私はそのカフェで英語を勉強する事は全くありません」です。
最後の副詞は”never”です。決してないのでゼロ%ですね。
動詞の確信度ランキング!
最後は動詞です。動詞の使い分けでも、どの位の確信を持っているかを計れます。
共通の例文を、”I think she is kind.”で統一します。
第一位:believe
“I believe she is kind.”
日本語訳は「私は彼女が優しい人だと確信している」です。
最も強く思っている事を表す動詞は”believe”です。
または”trust”でも同じ強さの意味で使えるでしょう。
第二位:think
“I think she is kind.”
日本語訳は「私は彼女が優しい人だと思います」です。
最もスタンダードな「思う」ですね。ニュートラルな感じですし、ボキャブラリー的にも問題はないでしょう。
第三位:suppose
“I suppose she is kind.”
日本語訳は「私は彼女が優しい人だと、たぶん思います」です。
ちょっと自信が無いけど、気持ち積極的にそう思うというニュアンスがあります。
第四位:guess
“I guess she is kind.”
日本語訳は「彼女は優しい人なんじゃないかな?」です。
確信はなにもないし、自信もないけど、推測するというニュアンスです。
結論 ~一語だけで文章の意味を変えられる魔法のオプション~
助動詞にしろ、副詞にしろ、動詞にしろ、いずれもたった一語を入れ替えるだけで真逆の意味にまで変化させる事が可能です。
自分の英語の表現を豊かにするため、こんなに便利なオプションを使わない手はありません。
今回は主要かつ有効に使える単語をランキング形式で紹介しました。これまで何かあやふやだなと思っていたそれぞれについて、あれは何位だったな、これは意外と下だったんだよなと、具体的に思い出してもらえれば幸いです。
どんどん積極的に使っていきましょう!
ネイティブスピーカーの間では、日本人にはあまり馴染みのない”needn’t”という単語が助動詞的に便利に使われています。
これもおもしろいので、お時間があれば是非!