日本人は”sorry”と謝り過ぎ?その場面で「すみません」は日本語だけ
海外に長く暮らしていると様々な英語を耳にします。
なかでも、それぞれ自分の出身のお国柄は話す英語にも反映されるものです。日本人の特徴としては、その真面目さや謙虚さからなのか、会話の中でやたら”sorry”が多いなと感じます。
ただこれが、実は日本語で使う「すみません」を英語に直訳しただけであり、英語の表現としては間違っている、または違和感があるケースが多々あります。
弥助の現地の友達からも、「なぜ日本人は、必要ない場面であってもあんなに謝るのか?」と不思議がります。
そこでこの章では、あなたの英語をよりナチュラルなネイティブ英会話に近づける為に、「すみません」の誤訳を代表的な5つに絞って説明したいと思います。
今日、今、ここから、もう誤った”sorry“の連発はなくなるでしょう。
代表的な「すみません」の誤解は5つ
どこかに訪問する時
誰かの家に入る時や企業の受付で挨拶する時など、日本人はよく「すいませーん」と言いながらそうしますよね?
同じ場面で相手が外国人の場合、英語でも”sorry“と言っちゃうでしょうか?
考えてみて下さい、いきなり現れた人が突然謝りだしたらちょっと怖くないですか?何かネガティブな事をしたから来たのだろうか?と勘繰られてもおかしくありません。
英語で言うべきはただの挨拶です。
“Hello.”または
“Hello, anybody here?” でしょう。
通してほしい時
人々の間を進む時や歩く流れに逆行する時など、「すいませーん」と言いながら通してくださいって感じで進みますよね。
海外にいて、日本人が”sorry“と言っているのを目にする最も多い機会の一つです。
英語で言うべきは、皆も知っている言葉です。何も難しくありません。
“Excuse me.”
もし、あなたの後ろに友達が何人かいるようなら、私達という意味でこう言います。
“Excuse us.”
ギフトなど、何かを貰った時
友達やホストファミリーなど、誰かがあなたの為に何かをくれた時、「うわー、何だかすみません。」や「お気遣い、すみません。お返しも出来ないのに。」などの日本語を直訳しようとすると、おかしな事になります。
英語で言うべきは、単純です。
“Thank you.”
おそらく皆分かっている事ですよね。
それなのに、何かをもらって嬉しいけど申し訳ないって感じで“Oh, sorry!”って言ってるのを見ると、やはり言われた相手も一瞬「?」という顔をしています。
お店の店員さんを捕まえたい時
レストランやカフェで注文を決めてテーブルからお店のスタッフを呼びたい時、日本語では「すいませーん」と言って呼びますよね。
お客さんがオーダーしたり、洋服屋さんで試着したいなど、あきらかにこれから購買活動を行うぞという人が大声で謝ってきたら、スタッフは「何?なんかこぼした?」とか「洋服傷物にしちゃった?」などと勘繰ってしまうかもしれません。
英語で言うべきは、やはりこれです。
“Excuse me.”
ちなみに、そうした注文したい時や試着をお願いしたい時にお店のスタッフを探して声をかける事を、
“catch someone’s attention.”という表現が可能です。
通路側に座っている友達に「店員さん呼んで」という場合に使ってください。
“You wanna catch her attention to order now?”
「もうオーダーしたいから彼女(スタッフ)呼んでよ」
「すみませんが…」と話を切り出す時
日本語の会話の中で「すみませんが、〇〇お願いできますか?」など、会話の切り出しに使う場合もありますよね。
この場合もいきなり”sorry“だと、やはり言われた方は「何が?」と思ってしまいます。分からない事を謝られるのは、戸惑いますよね。
この場合に使うべき英語は以下のような感じです。ある程度決まった表現なので英語ではナチュラルな切り出し方です。
“I’m afraid, but would you advise me how to get the library?”
「すみませんが、図書館までの行き方を教えてもらえますか?」
“I regret to say, but I gotta go now.”
「すみませんが、もう行かなければなりません。」
ただ一つ、”sorry”を使った切り出しで、こういう言い方もあります。
“Sorry to bother you, but can you call back to your client ASAP?”
「邪魔してごめんなさい、あなたのお客さんにすぐ電話かけ直してくれる?」
これは”Sorry to bother you”で、「あなたを邪魔するけど」という定型表現です。
逆に”sorry”でいい場合
もちろん、“sorry”がベストな表現の時もありますよ。
例えば、人々の間を”Excuse me”と言いながらすり抜けようとしていている時に、誰かと肩がぶつかってしまった場合などは、明らかにこちらに非があれば「ごめんなさい」の意味で”sorry”と言いますよ。
また自分が宿題を忘れた、寝坊して遅刻した、何かの約束を忘れていたなど、謝る必要がある場面では”sorry”です。
または少しケースが違いますが、相手の声が小さかったりして聞き取れなかった場合に、”I beg your pardon?“の意味で”Sorry?“と聞く事もあります。
結論~日本語訳を頭から排除する~
ここまで見てきてお気づきだと思いますが、要は「すみません」=「ごめんなさい」なのか、イコールじゃないのかの違いに起因している事なので、初めから日本語で考える事を止める事がベストな方法です。
説明してきた”sorry”ではない表現は、全てイコールではないはずです。おさらいでもう一度見てみましょう。
1.どこかに訪問する時
「こんにちは」(「ごめんなさい」ではない)
2.通してほしい時
「ちょっと通してください」(「ごめんなさい」ではない)
3.ギフトなど、何かを貰った時
「ありがとうございます」(「ごめんなさい」ではない)
4.お店の店員さんを捕まえたい時
「お願いします」(「ごめんなさい」ではない)
5.「すみませんが…」と話を切り出す時
「恐縮ですが、言いにくいのですが」(「ごめんなさい」ではない)
もうこれで、「ごめんなさい」以外の”sorry”に惑わされる事はないですね!