TOEICの勉強時間と点数の目安?何時間で何点アップのウソ

2-1. スピーキング上達基礎英語
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勉強時間という概念に縛られる事のデメリット

誰もがより高い点数を取ろうと日夜勉強しているTOEICですが、その中である情報に引っ張られている人も多いのかな?と思う事がありました。それが、

「何時間勉強すれば何点上がるという目安」についてです。

そうした目安を提示している資料やサイトなどを調べても根拠がなく、受験するあなたがそのまま鵜呑みにしてしまっては、以下のデメリットしかないのでは?と思いました。

  • 目安の時間をこなす事が目的になってしまう
       
  • 思う様な成果が出なかった時、目安の時間を勉強したのにと落ち込んでしまう
       
  • 勉強時間の目安を達したのに成果が出ないと、本質的な原因解明がされ難くなる
       
  • そもそも目安となる勉強時間が多すぎると感じ、初めからやる気を失ってしまう

TOEICの勉強時間と点数アップにはそれ程重要な関連性はないと断言します。

他にもっと意識すべき大切な事をあなたと一緒に考える事で、上記のようなデメリットを事前に回避していきましょう!(まずはL&Rから)

勉強時間の目安の根拠の無さ

よく見かける資料について

勉強時間と点数アップの目安についての疑問を感じて以来、できる限り他の資料や情報を研究してみましたが、度々目にしたある表がありました。

1985年に三枝幸夫という方の研究をもとにして、オックスフォード大学出版局がTOEIC受験者を指導する講師向けに作成した指南書に掲載されているものだそうです。

今の自分の点数を縦に、目指す点数を横に参照して交わる所で必要な勉強時間の目安を得るというマトリックスですが、

  • そもそもが参照に値するか疑わしいとても古い資料である
  • 出版局自身が「ラフな推定」と注釈を入れている

おそらく表を作成した本人が一番もやもやしていたのではないかなと疑っています。

同じ200点を上げる想定で、350点から550点へ上げたい受験者と550点から750点へ上げたい受験者が同じ450時間というのは腑に落ちませんよね。

基本的にこの表を参考にすべきではないと考えます。

仮に550点まで200点上げるのに450時間必要だったとしても、750点に上げる受験者はそれよりもっと短い時間で済むはずです。

それは、初級者と上級者では取り組む内容が異なるからです。

初級と上級レベルの勉強の中身の違い

以前TOEIC受験者の取得点数の分布を分析した際に、受験者の10人中8人が、345点以上795点未満の450点の幅に存在している事が分かりました。

(もしもっと詳しく知りたい方はこちらからどうぞ)

しかし、300点台の人と700点台の人が同じ勉強をしているとは思えません。

300点台という事は、まだ英語の基礎的な知識が足りていない状態です。この層の人達は以下の様な具体的な勉強が必要と思われます。

  • 基本的な文法の理解
  • ボキャブラリーの増加
  • リーディングに慣れる
  • リスニングに慣れる

そしてまだ勉強の仕方が確立されていない事や反復練習が必要な事を考慮しても、どうしても積み重ねていく時間が掛かるでしょう。

反面、もう既に700点台を取得していて満点を狙って勉強しているような受験者は、仮に前回の点数が悪かったとしても、基本的な英語力というよりは以下の様な理由が原因だった可能性の方が高かったかもしれません。

  • ケアレスミス多め
  • 問題の内容勘違い
  • たまたま知らない単語が多かった
  • 体調が悪かった
  • トピックが馴染みが無かった

そこでもちろん実力の底上げは必要でしょうが、どちらかと言えば上級者の勉強は実際の試験に合わせて数を多くこなすタイプの勉強にシフトする事でしょう。

その場合、闇雲に勉強時間を延ばすよりも、リスニング45分とリーディング75分を意識した勉強時間にする方が効果的でしょう。

上記マトリックスでは、こうした初級者と上級者の差異が何も触れられていません。

性格で変わる勉強時間

性格はもうネイチャーであり、インプット派かアウトプット派に分かれるものだと思いますが、この違いも勉強時間に影響するでしょう。

例えば幼い子供を見ても、言葉が出てくるまでにすごく時間がかかる子もいれば、すぐにおしゃべりになる子もいます。

言葉が遅い子は正にインプット派で、なかなか話し始めないので大人はやきもきしますが、誰かが話しているのにしっかり耳を傾けている子供の表情を見ると、あぁ一生懸命言葉を蓄積しているなと感じます。

そういう子供はある日突然話し始め、いつそんな言葉を覚えたの?と不思議になるほど初めから語彙も豊富だったりします。

大人でもまずはしっかりインプットしてから取り組むタイプの人は、どうしても道のりに時間がかかる結果、勉強時間も長くなるでしょう。

一方のアウトプット派は、イン・アウトをほぼ同時に行うので、子供の例で言えば話し始めるのも早く、要領もいいタイプが多いと思います。

こちらのタイプの良さはその柔軟性にあるので、走りながら最適なやり方にシフトしていく事を厭いません。

すぐに結果に結びつけようと短期集中型になる結果、最小限の勉強時間で何とかしようとするでしょう。

こうした違いも確実に存在すると思うので、勉強時間がどれ位なら何点アップするという話にピンとこないのです。

勉強時間よりも点数アップに大切な要素

では、点数アップに大切な事とは何でしょうか?

もちろん勉強する事は大前提なので、ある程度の勉強時間は言うまでも無い事です。

それよりもダイレクトに結果に繋げる為に以下の要素が大事だと思っています。

  • 基本となる文法の反復練習
  • ボキャブラリー増加
  • 英語のリスニングが難しい理由を知る
  • 勉強のルーティン化
  • 集中できる環境作り
  • 書く・話すも勉強に取り入れる

それぞれの要素に関連する詳細については、この章の最後にまとめて紹介します。ここでは自分の勉強スタイルや強みと弱みをしっかりと自己分析し、今の自分に必要な部分を再認識しましょう。

基本となる文法の反復練習

きっとTOEICを受けようと思ったあなたなら、その出題範囲は中学校の教科書で網羅できるというアドバイスに接した事があると思います。

これはあながち間違っていません。

ボキャブラリーで若干もっと範囲を広げなきゃかなと思う部分は残りつつ、習得すべき文法に関しては十分だと思います。特にリーディングの後半では文法の基礎を応用して答える必要があるでしょうが、その種類だってたかがしれてます。

問題がどの文法を試されているのかが分からくては答えようがありませんから、まずは基本の文法を網羅しましょう。

ボキャブラリー増加

特に初級者にとって常に英語のテストで落とし穴になる部分が語彙力です。上級者は前後の文脈で知らない単語でも予想する事が可能ですが、初級者レベルではここが難しいんですよね。

一番地道な作業ですが、語彙を増やす時間は出来るだけ使って100語でも200語でも増やす事をお勧めします。

リスリングでもリーディングでも確実に楽になります。

英語のリスニングが難しい理由を知る

そもそもどうして日本人が英語のリスニングが難しいのか?この理由を知る事から始めなくてはならないと思っています。

弥助の経験に基づくと、リズムとイントネーションが気を付けるべき最も重要な要素です。フラットに話す日本語とアップダウンしながら話す英語では、同じ言葉が違うものに聞こえてしまいます。

これにアクセントの位置や音がつながるリエゾンのルールなどを知識として持っていればリスニングは格段に向上すると思われますが、ここは少し知識と耳を同期させるための反復練習の時間が必要かもしれません。

勉強のルーティン化

TOEICの受験日がありますので、そこに照準を合わせた時間管理が必要ですね。自分の弱い部分を鍛えるのか、強みを伸ばすスタイルなのか、やるべき事を時間のある一点に集約させるためには、いずれにしても継続して勉強する習慣があると自分が楽になります。

やらなきゃいけないのではなく、やりたいという気持ちで取り組めるのがベストですから、一日何時間、週何日勉強するかという無理のない予定に加え、定休日を設けたり、試験直前の追い込みスケジュールを作ったりできるのも、普段のルーティーンがあればより楽にできます。

集中できる環境づくり

普段の生活の基盤の中では、なかなか自分一人で集中して勉強できる環境を得る事も簡単ではないでしょう。会社の昼休み、家では家族が寝ている時間を狙ってなど、ひと工夫しなければ実現は不可能かもしれません。

英語を勉強している人に限らず、朝活として毎朝マクドナルドで一時間勉強したり、休みの日の何時から何時と時間を決めてカフェや図書館を利用したりと集中できる環境を作っている人が成果をあげていると感じます。

当たり前の事ですが、この時間、この場所で、自分はとても集中できていますと言えるかどうか、自問してみるのもいいかもしれません。

書く・話すも勉強に取り入れる

この章ではTOEICのL&Rのみに絞っていますが、それでも英語を書く・英語を話すという勉強も取り入れていくのがいいと思います。その理由は、人間は書く・話すを通してアウトプットする事で知識を定着させているからです。

ボキャブラリーもそうなのですが、使わない単語から忘れていくものです。そもそも英語は想いを伝える手段なのですから、使わなければ当然錆びていきます。せっかく勉強して手に入れた知識を錆びさせてしなわないためには、定期的なアウトプットも必要なんです。

一見遠回りに見えるかもしれませんが、実は知識定着の為の近道なのです。

結論~自分の時間をどう割り振るかを考えよう~

これら勉強の要素に対し、どう自分の限りある時間を割り振るかを考える事が大事だと思います。

自分の苦手により時間を割いて克服する戦略でいくのか、出来るだけ全部カバーできるようにバランスよく配分するのか、決められるのは自分自身のみです。

そしてその合計が、マトリックスで示された目安より多かろうが少なかろうが関係ありません。

自分の使える時間をどう有効に必要な事に使っていくかを考える事こそが大事だという事です。

目安に引っ張られた時間的強迫観念に縛られるのではなく、大切な要素に重きを置き、自分に合ったスタイルや時間管理の中で効果的にTOEICの勉強が出来るといいですね。

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