TOEICの基本情報を初心者の勉強法にも活かしていこう
日本におけるTOEICの運営元であるIiBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が分析したデータに接する機会がありました。
更に調べてみると、IiBCのサイトでたくさんのTOEICの結果に関するデータが公開されていました。
これを機会に、初心者には特に知られていないTOEICの基本的な情報を、今後のあなたの勉強法にとって役立つであろう切り口でまとめてみます。
この章では、まず最もポピュラーな試験であるリスニングとリーディングを受けるTOEIC L&Rについて、示唆してみたいと思います。
意外と知らないTOEIC基本情報
そもそもTOEICとは何の為のテスト?
TOEICの正式名称は、Test of English for International Communication であり、その名の通り、英語でどの位コミュニケーションが上手に取れるかを計る為のテストという位置づけです。
誰が開発し、誰が日本で運営しているのか?
TOEICの開発元は、ETS(Education Testing Service)というアメリカの開発期間です。英語でのコミュニケーション能力を計る為のテストして、世界160ヵ国で採用されています。ETSはTOEFLの開発元でもあります。
日本でTOEICを運営しているのは、IiBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)です。必要な情報やデータはこのIiBCのホームページから詳細に見る事が出来るので、是非参考にしてみてください。
日本での年間受験者数
2011年から200万人を毎年超えるようになり、2015年の256万6000人を筆頭に、大体220万~250万人が受験しています。(公開試験、企業等団体受験の合計)
社会人と学生が半々位の割合です。数は少数ですが、小学生でも受けているんですね。
申し込みから結果が返ってくるまでのスケジュール
- 日程:基本的にIiBCの定めた日程に、毎月受けられる
- 会場:IiBCの定めた最寄りの会場で受験する
- 申込:インターネットを通して個人で申込可能
- 結果:試験日から30日以内に発送される
団体受験であるIPテストはそれぞれの企業や団体が申込をして、日時と会場も含めて柔軟に個別実施が可能です。
点数分析で自分の位置を知り、勉強に活かしていこう
ここからは日本の運営元であるIiBCが提供するデータに基づき、弥助が独自の切り口で、あなたが知りたいであろうTOEICのスコアに関する事実を浮き彫りにしてみます。
最近のTOEIC L&Rの結果
これから分析していく上での前提として、まずは最近の結果である第247回(受験者数:111,093人)の結果を例にとって見てみましょう。
リスニング
- 最高点:495点(満点)
- 最低点:5点
- 平均点:320.6点
リーディング
- 最高点:495点(満点)
- 最低点:5点
- 平均点:260.6点
合計
- 最高点:990点(満点)
- 最低点:10点
- 平均点:581.2点
満点もいれば10点もいる、世界的に比較した時の平均点はかなり低いと言わざるを得ないというのが事実ですね。
2019年のデータを見ると、トップのカナダは平均877点、アジア圏だと韓国が678点、ミャンマーが580点、日本は523点でした。
これら最新のスコアを見て何を思い、どう感じるかは、あなた次第だと思います。
点数の分布、何点だと何位?
自分も含めた受験者は、いったい何人位の人が何点位取っているのか?
これって、最も気になる点ですよね?自分の実力はどの位の位置になるのか?
2018年の公開テスト受験者数、979,474人分のデータを分析した結果を基に分析してみます。
何点から何点とカテゴライズして、それぞれ何%分布しているかが分かりますよ。
気になるスコアのデータですが、545点以上595点未満の層が最も多く、そこを山の頂点としてよりいい層、より悪い層へと徐々に人数が減っていくピラミッド型に分布しています。
ではまず、最も多い順にスコアを並べてみましょう。
- 545~594 (10.4%)
- 495~544 (10.2%)
- 595~644 (10.0%)
- 445~494 (9.4%)
- 645~694 (9.0%)
- 395~444 (8.3%)
- 695~744 (7.9%)
- 345~394 (6.8%)
- 745~794 (6.7%)
- 795~844 (5.5%)
- 295~344 (4.8%)
- 294以下 (4.0%)
- 845~894 (3.9%)
- 895以上 (3.4%)
これを分かり易くまとめてみると、
- 受験者の半分(49%)が、445点以上695点未満の250点の間にいるマジョリティ
- 15%の人が、345点以上445点未満の100点の間にいます
- 15%の人が、695点以上795点未満の100点の間にいます
合わせると受験者の10人中8人が、この345点以上795点未満の450点の間に存在していますね。
795点以上の上位が全体の12%いて、345点未満の下位が8%という感じです。
海外経験があるとスコアはいいの?
海外滞在経験のあるなし、またその期間の長さの違いが平均スコアにどう影響するかのデータがありました。以下、上位から並べます。
- 2年より多く:667点半年以上
- 1年以下:628点
- 1年より多く2年以下:593点
- 半年未満:494点
- 海外経験無し:429点
海外経験は英語への興味に直結しているでしょうから最も差がつく部分だとは思いますが、特にリスニングが、2年以上海外経験のある人が滞在経験無しのグループより134点も高かった事が印象的でした。
海外を体験する事は英語力向上に役立つことは間違いなさそうですね!
TOEICのスコアから分かる事
正式名称がTest of English as International Communicationであるように、TOEICはアカデミックな知識や教養を身に着けている証明というよりは、日常生活やオフィスなどで実践的な英語のコミュニケーションがどの位取れるか?という測定の為の試験です。
その為、リスニングでもリーディングでも、実際の日常生活やビジネスにおける会話など、現実に即した問題が出される傾向にあります。
一方、留学には一切使えないという側面も持っており、それについてはこちらの章で詳しく示唆しておりますので、お時間がありましたら是非!
何故日本でTOEICを受験するのか?
TOEIC初心者には特に、純粋に自分の英語力を伸ばしたいと思って勉強している人が最も多いようですね。
ただの趣味であったとしても良い趣味だと思いますし、将来の何かに備えて勉強していれば無駄にはならないでしょう。
しかし、より実用的なTOEICを受験する理由としては、やはり就職活動に始まり、会社内での昇進やプロジェクトへの参加の可否、または転職するケース等にも使えるという、より社会人にとって必要になる資格であると考えます。
このTOEICと仕事については、別な章でより詳しくデータ分析していますので、お時間がありましたら是非!
結論~TOEICは日本で~
TOEICについて調べる限り、日本では様々に使われ、資格として通用する事が分かりました。
そして、大体の平均スコアについても詳細が分かりました。
推測するに、TOEIC L&Rで700点以上取れれば、それが就職の為でも昇進の為でも、日本では何をするにも十分ではないかと思います。
専門的に、または集中的に英語がいる業界・部署で働く場合は800点位欲しいところですね。
最後にもう一つ情報を。
コロナ禍で中断されていましたが、再開される事が決まりました。
第252回 TOEIC L&R
日時は2020年9月13日(日)