20年の海外暮らしから見る、英語の電話応対の秘訣
英語を実践で使う際、最もハードルの高いチャレンジの一つが電話でのやり取りではないでしょうか?
- 相手の表情が見えないと顔色を窺いながら会話を組み立てられない
- こちらの身振り手振りを使えない
- 紙に書けない
- スマホで画像を見せられない
- これらの目に見える工夫で会話を補完出来ない
そうしたデメリットが。大きな不安として圧し掛かるのではないでしょうか?
しかし、電話での英会話のハードルは心配しているほど高くありません。
この章では、英語で電話応対をする機会があった場合、知っていれば全然怖くなくなる秘訣を知って、まずは定型文を便利に使ってもらえればと思います。
同調圧力に屈しない!
例えば一年くらいワーキングホリデーなどで海外に行ってましたと人に話した時、よく聞かれる質問は(少し or かなり意地悪く)
「一年も行ってたんだから、ペラペラにしゃべれるんでしょ?」だと思います。
この時に相手の思うつぼになるリアクションには、どのようなものがあるでしょう?
- 「まぁね!」と少しムキになってしまう
- 「それが全然。英語話さなくて生活できたし。」と、 もう完全に卑下してしまう
- 「私が習ってきたのアメリカンイングリッシュだから、クイーンズだと何言ってるかイマイチ分かんないんだよねぇ。」と無駄な言い訳をしてしまう
- 無言…
いわゆる、日本人特有の『謎の英語コンプレックス』を満たしてあげる結果になってしまいます。
何なんでしょうね?あの、「俺も英語話せないんだから、お前も話せないよな?」的な圧力は…。
カジュアルな会話でも、面接などのフォーマルな場面でも、あらゆる想定でありますよね?
そういう時に、最も効果的に自分が英語を話せるようになった事を自然体で伝えられる答えはこうです。
「はい、アルバイト先で普通に電話応対していましたので、大丈夫だと思います。」
「はい、インターンシップ中は、電話応対も担当業務の一つでした。」
何故か、これが効くのです。
電話で英語を話すハードルの高さを悟るのかもしれませんね。
相手は、更に質問を追加すると、『相手は話せる、でも自分は話せない』という真理的な自己否定に繋がる事を避ける為に、それ以上追求しなくなります。
不思議なほど、相手は黙りますよ。
定型文7つをマスターする
では、実際に英語での電話応対ができるところを見せてあげましょう!
日本語で誰かに電話をする場面を思い浮かべてみてください。
電話特有の言い回しってありますよね?
「〇〇と申しますが、□□さんをお願いできますか?」みたいな感じの表現です。
これって直訳して、 “Can I ask □□?”って言ったら絶対に変ですよね?
英語にもそういう電話特有の定型文ってありますよ!
中でも特にネイティブ表現としてよく使われる定型文を7つご紹介しますので、そのまま覚えて実践あるのみです!
英語で私は『This』
“Hello, this is Yasuke calling from Microsoft. May I speak to Mr. Smith, please?“
「もしもし、わたくしMicrosoftの弥助と申します。Smithさんはいらっしゃいますか?」
部署に繋いでもらおう
“Hello, this is Yasuke from Amazon. Would you put me through to Ms. Smith in Sales department?“
「もしもし、Amazonの弥助ですが、営業のSmithさんにお繋ぎいただけますか?」
よく聞き取れなかった!
“I am afraid, but may I ask your name again, please?“
「恐れ入りますが、もう一度お名前を伺ってもよろしいですか?」
「はい、私です。」
“Hello, this is Michelle calling from Toyota. May I speak to Anna?“
「もしもし、ToyotaのMichelleですが、Annaをお願いできますか?」
“Yes, speaking.”
「はい、私です。」
席にその人がいない、どうしよう…。
“Michael is not in the office at this moment. Would you like him to call you back when he was back?“
「Michaelはただ今離籍中のようです。戻りましたら折り返し電話させましょうか?」
留守番電話(Answering machine)は何て言ってる?
(Answering machine said: ) “I’m sorry, but I cannot take your call at this moment. Please leave your message after the tone.“
「只今、電話に出る事が出来ません。ピーと鳴ったらメッセージを残してください。」
折り返し電話する場合
“Hello, this is Yasuke speaking. I am returning to your call yesterday.“
「もしもし、Hondaの弥助ですが、昨日お電話を頂いていたようで」
電話というハードル
これは実際にあったジョークの様な本当の話です。
弥助が、日本人がめったに来ないオーストラリアのリゾートホテルで働いていた時の事。
30代と思しき日本人男性が、部屋のお風呂用の蛇口から水漏れしている件でフロントデスクに内線をかけてきました。
その結果、彼は2時間以上もそのまま部屋で待たされた挙句、結局部屋を変わる事になりました。
ホテルがただLazy(怠け者)で何もしてくれなかった?いえいえ、ホテルスタッフはちゃんと彼の為に動いていました。
では、その間何が起きていたのか?
彼は、水漏れの事を伝える為に、言うべき事を紙に書いて何度も何度も練習してから緊張しつつ電話をかけたという事でした。
その練習の成果が裏目に出てしまい、彼が結果スラスラと用件を言えてしまった為に、フロントスタッフは彼が英語を話せるものと素直に信じて、ネイティブスピードで「メンテナンススタッフが10分後に部屋に向かう」と告げていました。
しかし、彼は彼女の言っている内容が全く分からない…。しかし、分からないと言えない。そのまま、あいまいに”OK, Thank you”と言って電話を切りました。
彼は依然、ホテルがどうしてくれるのか分からず、不安なまま部屋にいたそうです。そして、間が悪い事に、彼がドアノブに朝からかけっぱなしにしていたのは、
“Don’t disturb“(邪魔しないで)サイン。
ホテルスタッフはドアをノックできません。
困ったメンテナンススタッフは、フロントに彼の部屋に電話してサインを外すように頼みました。
再度のフロントからの電話に緊張して応答した彼は、ここでもやはり彼女の話すスピードに全くついていけず、サインを外してという内容が分からないまま、やはり”OK、thank you.“と答えてしまったとの事でした。
実際、このメンテナンススタッフ→フロントデスク→お客さんのやり取りはもう一度繰り返され、それでも外されないサインに業を煮やし、遂に弥助にお客さんと日本語で話してとSOSが下されたという結末でした。
もし直接フロントデスクに行ってその場でやり取りをしていたら、ここまでこじれなかったのかな?と思いますが、やはりそこは電話のハードルの高さなのでしょう。
そして、日本人特有の『間違うのが怖い』病ですね。
完璧に話せるように練習した結果が、まさかの聞き取れないスピードで返されて、それを分からないと言えない、パターンでした。
結論~プライドより用件~
この実例から分かることは、英語での電話応対を難しくしているのは自分自身であるということです。
電話で用件を成す為には、伝わらないのは恥ずかしい、聞き取れないと正直に言えないというプライドは捨て、目的が達せられる用、逆にゆっくりと話す事が大事です!
そしてこれも電話あるあるですが、自分の発音が通じない事も多々あります。
例えば電話で何かを予約する際、自分の名前を告げる機会もあると思いますが、日本人名の綴りはなかなか伝わりづらかったりします。
そういう時に有効なテクニックがあるのですが、既に長くなってしまったので、別な章に譲りますね。
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