単語は簡単なのに意味が分からない日常会話表現とは?
あなたが勉強を重ね、ネイティブスピーカーが日常使いするような英語にも触れるようになった頃、よりさまざまな表現に出会います。
例として、「どういたしまして」を英語で何と言うか?
“You are welcome.”以外の表現で言われた時に、その表現を知らないだけで、何と言われたか分からずに戸惑った経験はないでしょうか?
“Don’t you mind~?“と聞かれた時の答え方もそうですね。「気にしない?」と聞かれたこの質問にどう答えればいいか?
使われている単語はとても簡単なのに、意味が分からないネイティブ表現というのは、日常使いになればなるほど多かったりします。
この章では、ネイティブスピーカーに尋ねられても答えに困らない、知っていれば簡単な英語表現10選をシェアします。
本当によく使われる表現なので、絶対に英会話の中で出会います!
その時に戸惑わないよう、あなたの引き出しに入れておきましょう!
You bet
まずは下の会話を参照して”You bet“を訳してみましょう。
“Thank you for coming today.”
“You bet.”
この場合の正解は「どういたしまして」です。
どちらかというとイギリスではなくアメリカ人により使われる表現です。
では、もう一つ意味があるので問題です。
“We are gonna catch up together soon again.“
“You bet.”
この場合の”You bet.“の意味は「もちろん」です。
そして、さらに輪をかけて紛らわしいのが“I bet.”という表現もある事ですね。
“I bet“は、“I think”を強く表現した表現です。意味は「そう強く思う」ですね。
“bet“の自動詞の意味は「賭ける」ですが、単語の意味ではなく、はじめから意訳表現で覚えれば問題ないですね。
「どういたしまして」と「もちろん」の意味で使う、これらのケースです!
How did you find?
まずは下の会話を訳してみましょう。
“How did you find the math exam?”
“It’s not fair. Too hard.”
正解は「数学のテストどう思った?」です。答えは「ずるいよ、難しすぎ」ですね。
このように、“find”を使って「思う」という意味の表現があるんです。
知っていれば何てことないのですが、知らないと分からずに「ん?どうやって見つけた?」って紛らわしく答えに困りますよね?
「見つける」という意味で普通に訳したけど、何か変だなと思ったら、この「思う」の意味で使われていないか疑ってみてください。
A number of
では、次の会話を訳してみましょう。
“A number of students knew where Kyoto is in Japan.”
“They are wonderful.”
正解は「数名の生徒が、京都が日本のどこにあるか知っていました」です。
その答えが「それはすごい子達だね」です。
「生徒の数は」という場合は”The number of students“が主語になりますが、”A number of students“は「数名の生徒」という意味になります。
ここでは2つ重要なポイントがあります。
一つ目は、”A number of students“は複数形なので、be動詞なら”are“や”were“である事です。
二つ目のより重要なポイントは、“A number of“は”Many”ではないという事です。
何とイコールかと言うと”several“です。
対比されるかと思うのですが、日本語訳が「いくつかの」で同じである”a few of“や”a couple of“とも以下の違いがあります。
- “several”は「5~6つの」
- “a few of”は「3~4つの」
- “a couple of”は「2つの」
“several“と同じなので、“A number of”も「5~6つの」という感覚です。
Do you have the time?
ではまた次の会話を訳してみましょう。
“Oh, do you have the time?”
“It’s half past 6.”
正解は「時計持ってる?」の意味から「今、何時?」です。
なので、答えは「6時半」で合っています。
もしこれが”Do you have time?“と聞かれたら、「今時間ある?」という質問になりますので、答えも”Yes”か”No”になります。
“the”があるかないかで、意味が紛らわしいですね。
I’m broke.
では、また会話を訳してみましょう。この場合の”broke“の意味は?
“You’ve got the new dress, haven’t you?”
“Yeah! But this cost me a lot. I’m broke now.”
正解は「お金がない」です。
「新しいドレス買ったんだね」「そうなの、でも高かったの。だから今お金ないもん」
この”broke“ですが、動詞の”break“の過去形なので「壊れる」という意味に引っ張られがちなのですが、実は「一文無しの」という意味の形容詞でもあるので理解が紛らわしくなるのですね。
“doubt”と”suspect”の使い分け
少し趣向を変えます。
まずこの日本語を見て下さい。
「ハリーがロンを騙すなんておかしいと疑っていたんだ」
この前提で、英訳するとしたら( )に入るのは”doubt“でしょうか?”suspect“でしょうか?
“I ( ) that Harry cheated Ron.”
正解は”doubted“です。
なぜ”suspected”ではダメかと言うと、主語である私はハリーがロンを騙したと『思っていない』からです。
もし”I suspected that Harry cheated Ron.”だと、「私はハリーがロンを騙したと疑っていた」となってしまいます。
どういうことかと言うと、以下の対比で分かると思います。
一方
単語の意味は同じ「疑う」なので紛らわしいですが、まったく逆の意味になってしまいます。
The next Friday
今日が1月1日の月曜日だと仮定して以下の会話を聞いた時、約束の金曜日はいつでしょうか?
“You wanna go for camping with me on the next Friday?”
“Sounds fun! Should be alright for me. I will be in a term break on that day.”
正解は次の次の金曜日ですね。
日付で言えば、1月5日(金)ではなく、1月12日(金)です。
もし今週の1月5日(金)であれば、”this Friday“または万全を期して”this coming Friday“と言います。
こういう時間に関する紛らわしい表現もありますね。
このように何月何日と日時を決めるならまだいいのですが、例えば春に話をしていて“the next summer“と季節で言われたらいつの夏でしょう。
この場合は今年の夏でも来年の夏でも、どちらにも取れてしまいます。
ですので、確実に伝えるためには以下のように表現します。
“I will go for camping in the summer this year.”
これで少しでも紛らわしさを小さくできるでしょう。
What day is it today?
では再びスタイルを戻して、以下の会話を訳してみましょう。
“Hey, what day is it today?”
正解は「ねぇ、今日は何曜日だっけ?」です。
よって答えは以下の様になります。
“It’s Thursday.”
この質問も知っていれば何てことないのですが、この紛らわしい質問があるので、どっちだっけ?とあやふやになる可能性があります。
“What is the date today?”
これは「今日は何月何日だっけ?」という質問です。
“day“と”date“の違いを明確にしておくと、いざ言われた時に迷わずに済みますね!
Tell me about it.
では次の会話の中で、”Tell me about it.“はどう訳されるでしょう?
“Have you watched the new Star Wars movie? It really sucks.“
“Tell me about it. It was totally boring.”
正解は「そうだね」です。
ネイティブスピーカーの日常会話の中で使われる表現です。
この表現の紛らわしさが厄介なのは、そのまま訳すと「それについて教えてよ」となる事です。
単に同意の意味で相手が使った表現に対して、「教えてよ」と言われたと勘違いし、詳しく話してしまう事になりかねません。すると会話が食い違ってしまいますね。
What’s going on?
最後は最も簡単に見える表現ですね。おそらく「どうなっているの?」という意味で覚えているかと思います。
しかし、会話の始まりに”How are you?”の代わりに言われたとしたらどう答えましょう?
“Hi, what’s going on?”
正解はいくつも考えられますが、この質問自体が半分質問で半分あいさつのようなあいまいな表現です。
- “I’m doing well.”
- “Not much.”
- “Nothing special.”
実は弥助も「どうなっているの?」という意味に引きずられ、何かただのあいさつなのに色々しゃべってしまった経験もあります。
知っているか知らないかは大きな違いです。
結論~紛らわしい表現は経験するしかない~
ここまで見てきた英語表現は、いずれも知ってさえいれば何てことないものばかりです。
もうここまで読み終わったあなたにとって、もうこれらは紛らわしい表現ではなくなったはずです。
このように経験する事でしか得られない知識というものは、自分でも使ってみる事で本当の意味で自分のものになります。
そういえば、「紛らわしい」という意味の英語自体も、確実に自分のものにしちゃいましょう。
“confusing” ですね!
他にもネイティブスピーカーが使う表現で、日本人の感覚からすると少し戸惑うかもというトピックを紹介しますね。お時間があれば是非!
“will“や”be going to“だけじゃない、ネイティブスピーカーがよく使う未来形の表現です。
「焼く」という意味の”Grill“にも、ネイティブ表現らしい意味があります。