まず英語の発音が通じない理由を考えてみる
日本語の発音と英語の発音は、とても違うと思います。
海外に暮らして20年経ち、例え仲間達との日常生活や仕事で困る事はほとんどなくなった今でも、発音が通じずに”Sorry?”, “Pardon?”と聞き返されてしまう事は、恥ずかしい限りですが正直まだゼロではありません。
分かっているんです。苦手な発音がある事も。きちんと発音できていないんだろうなと自覚する事も。
ですので、皆さんもどうか気にしないでください。
日々英語の中で暮らしていてもこうなんです。日本人でもネイティブと全く同じに話せる人はもちろんいますし、本当にすごいと思いますが、その人達でさえ通じない時は通じません。
この章では、英語の発音が通じにくい理由を少し考え、克服する為の気付きを得て、最後はもうこれを使っちゃおうという奥の手についてまで、示唆してみたいと思います。
自分の発音が通じない精神的な理由
日本人はただでさえ、「読む」、「書く」、「聞く」よりも圧倒的に「話す」が苦手だそうです。いくつか日本人の特徴を考えた時に浮かぶ理由は、こんな感じでしょうか。
- 何回言っても通じない単語があり、それ以来怖くなった
- 相手に「何?」って聞き返されると、「あ、やっぱりいいです」ってなっちゃう
- 間違うのが怖い
- 相手に、この人は英語が出来ないと思われるのを避けたい
- こっそりオンライン学習などで勉強してるが、とにかくまだ話す自信がない
これらは、精神的な理由としてまとめられますね。
日本人の謙遜する姿勢というのは、本当に美徳だなと心から思っています。
しかし、相手がその価値観を共有していない外国人だと、そこを分かってくれる人と全く分かってもらえない人とはっきり分かれます。
分かってくれる人は国際経験豊かな人が多く、自分も語学や外国に行って苦労している為優しい人が多いです。でも、分かろうとしない人に通じさせるのは、よりハードルが高いですね。
実践の場で一つ共通して見受けられる事は、上で挙げた理由により、自分の声がどんどん小さくなり、相手に増々聞き取りづらくなる悪循環に陥るという事です。
ここには真逆の発想が必要です。後でお話しする奥の手も駆使しながら、通じていないなと思う時こそ、頑張っていつもより大きな声を出しましょう!
自分の英語が通じない言語的セオリーの問題
では、言語的セオリーに基づく理由だとどうでしょう?
- 日本語がフラットなので、どうしても抑揚をつけるコツが分からない
- フォニックスの法則に馴染めていない
- 会話のリズムが合っていない
- “f”と”s”
- “b”と”v”
- “d”と”t”
- “p”と”t” など、明確に発音できない苦手な音がある
ここは発音を上達させる為の根本的な部分に相当するので、初めの三つに関しては一つずつ詳しく解説しておりますので、以下のリンクから順番に参照してもらえればと思います。
ここでは、最後の区別が難しい発音についてフォーカスしたいと思います。
本当に不思議なのですが、自分ではちゃんと”fox”と発音しているつもりなのに”sox?”と聞き返されたりして、思わず日本語で「この文脈で何でやねん!?」と言ってしまう事が、まぁしばしば起こります。
自分の発音が悪いのが問題なんですけどね。
今思い返せば、海外暮らし三分の一が経過した頃でしょうか?もう相当英語にも慣れて普通にネイティブスピーカー達に交ざっている状態が普通になっていましたし、自信もついてきていたのでしょうね。
当然いい答えを期待した弥助は友人の一人に尋ねました。
“Anyway, how many % have you understood my English?“「俺の英語は何%理解できてる?」
衝撃の答えは
“Uh……60%? Maybe?”「んー、60%位?たぶん?」
ノリだけでは乗り越えられていなかったんですね…。
奥の手登場!
しかし、そこは人並みに凹んだとはいえ、ただでは転ばない弥助です。ならばと、即座に取り入れたのが【Phonetic Alphabet】です。
元々この【Phonetic Alphabet】は、例えば誰かのファミリーネームをスペリングする際などに、ネイティブスピーカー同士で間違わないように用いられるのですが、これを日常的に使い始めました。
色々なパターンや使う単語があるので、特に厳しい決まりがある訳でもありません。例えばニュージーランドで史上最年少で首相になった女性、アーダーン首相が自分の名前をスペリングする際には、この様に説明出来ます。
“ARDERN, A for Alpha, R for Romeo, D for Delta, E for Echo, R for Romeo, and N for November”
このように伝えれば誤解が減るので、とても便利です。では、一般的に共通認識となっているリストはこちらです。
A for Alpha
B for Bravo
C for Charlie
D for Delta
E for Echo
F for Fox
G for Golf
H for Hotel
I for India
J for Juliet → (Japan)
K for Kilo → (King)
L for Lima → (Lavender)
M for Mike
N for November
O for Oscar
P for Papa → (Peter)
Q for Quebec → (Queen)
R for Romeo
S for Sierra → (Sam)
T for Tango
U for Uniform → (Umbrella)
V for Victor
W for Whiskey
X for X-ray
Y for Yankee → (Yellow)
Z for Zulu → (Zero)
これは英語を話す人達なら、誰でも知っていますので、とても応用が効くんです。
そして基本的には通じればOKの人である弥助は、初めのリストから覚えにくいもの、馴染みが無いものを自分が使い易いようにアレンジしていって、今では上の太字のリストで落ち着きました。
電話越しの会話でもこの【Phonetic Alphabet】は本当によく使われます
「お名前を伺えますか?」というやり取りには、常に使われますね。
(他にも英語で電話する時のより詳しい解説をした章があります。よろしければ!)
結論~通じる発音に出来るまでは、色々な手段で伝えよう~
この奥の手は、余り長いスペルを持つ単語には使うと面倒くさいのですが、実はスペルが長い単語は勘違いされにくいので、逆に必要無いんです。むしろ本当に短い言葉に有効な手段でした。
もう終いにはジョークにまでなって、「Foxだよ!F for Fox!」みたいな感じで笑っていました。
日本語の発音から英語の発音にシフトしていくのは、普通に考えて大変な事です。でも、ここをクリアすればより相手に通じやすい英語に出来る事も間違いありません。
長い道のりですが、一緒に頑張りましょう!とにかく通じなくても凹まず、工夫して伝えようとしてみる事です。その気持ちは、きっと相手に届きます。