カタカナ発音脱却のコツ、3つのステップ ①~抑揚とアクセントの秘訣
今や小学校から英語を正式に習い始めている日本人ですが、いつになっても苦手意識を持つ部分は、やはりスピーキングですよね?
- 人前で間違う事を何より恥ずかしいと思う日本人気質?
- 日本語の発音が英語のそれとかけ離れている?
この二つが大きな原因でしょうか?
カタカナ英語から脱却し、『発音』をネイティブに劇的に近づける3つのステップ
にて解決を図りましょう。
まずはステップ1!
英語の発音で最も気を付ける最重要ポイントが、「抑揚」と「アクセント」を間違えない事であると明確にしますね!
イントネーション>リズム>発音記号という、優先順位の意味を心に刻む
カタカナ発音から脱却する方法論
『発音』と一括りに言っても、実は重要な要素を3つに分解し、優先順位をつける事が可能です。
① 抑揚を使う(イントネーション)
② 文章にリズムをつける
③ 正しい発音記号に沿って発声する
最初から何の苦労もなくパーフェクトな発音が出来れば、こんなに楽な事はありませんが、それが難しいのでステップバイステップで少しずつ上達していかざるを得ません。
その過程において、まず真っ先に重点的に改善すべきポイントがイントネーションなのです。
リズムも同じくらい大事なので、①と②を一つと考えて同時に克服するのが最も効率的かもしれません。
正確な発音記号を使えていなくとも、ネイティブスピーカー達と何の苦も無く会話が成り立ち、世界の最前線で活躍している日本人はたくさんいるのが確固たる事実だという事です。
“th“の発音や”v“, “f“の発音がちゃんと出来ておらず、傍から聞いていてどうしても流暢に話せているとは思えなくとも、ネイティブに交じって談笑したり、熱いビジネス論議を交わしている人達の英語は、イントネーションとリズムが”英語”なのです。
英語の発音を劇的にネイティブのそれに近づける最大の秘訣は、ここにこそあります。
- それぞれの単語に、強弱とピッチ(音程)の上げ下げをしっかりとつける
- この単語の長さは二拍になるのか三拍になるのかというリズムを意識する
- 文章全体のイントネーションをはっきり明確にする
具体的な実践練習法
こうして箇条書きにしても尚、だからそれをどうすればいいんだ⁉そこをどうしていいか分からないんじゃないか⁉と多くの方が思う所でしょう。
実は、ここを克服していく練習方法はたくさんあると思います。
- 短い「ア」なのか、伸ばす「アー」なのかなど、単語ごとの正しい発音とアクセントを習得してリズムに活かす
- 「5W1Hの疑問文では語尾を下げる」などのイントネーションのルールをマスターする
- 単語同士が繋がったり、短縮されたり、音が消えたりなどの影響を及ぼし合うリンキングに慣れる
- 品詞によって、強くゆっくりと発音するもの、弱く早く発音するものをハッキリと区別して発音する
1つ目の単語のアクセントの正しい位置については、弥助が若い頃、オーストラリアのレンタルビデオショップで経験した出来事が忘れられません。
“The Mexican“という映画を探していましたが、店員さんに聞いた方が早いと思い、あるかどうかを尋ねました。
しかし、何度言い直しても通じません。ほんの2語からなる発音が通じないのです。
もうパニックです。
店員さんが優しく助け船を出してくれました。
“Who’re in it? I mean actors?”
「誰が出てるの?」
“Ammm, Brad Pitt and Julia Roberts!”
「ブラッドピットとジュリアロバーツだよ!」
“Maybe, you mean the Mexican.“
弥助はずーーーっと、”The Mexican“の位置にアクセントを置いて発音していたのですが、この違いだけで全く通じなかったのです。
このアクセントの違いがスピーキング力にもたらす影響力を、この時に完全に理解しました。
2つ目のイントネーションのルールについては、さらに詳しく解説するために1つの章にまとめてあります。
また3つ目に挙げたリンキングに関しては、リズムについてより詳しく解説している2つ目のステップの章に譲ります。
最後の「品詞によって、強くゆっくりと発音するものと、弱く早く発音するものがあるという違い」に関しては、勉強すれば知識として理解ができます。
・名詞や動詞など、ハッキリと文章の意味を構成する品詞は、強くゆっくりと発音
・前置詞や冠詞、代名詞など、補足的な品詞は、弱く早く発音
この法則を理解し、自分の発音に取り入れている人は、次の例文を以下のように発音できます。
“That red car is the most expensive of these ten cars.”
この赤字の部分をゆっくりと抑揚を上げて強めに発音するわけです。
それ以外は全て弱く早く発音するので、赤字部分がさらに際立ちますし、一つの文章の中で強さと弱さ、ゆっくりさと早さが混在してイントネーションを形成するのです。
イントネーションが実践の英会話でどのように通じやすくなるかについては、こちらの章で具体的に例を挙げて説明しています!
このように勉強して知識とし、実践もできればよいのですが、一人で勉強するには難しい面もあります。
そこで、出来るだけ低いハードルからすーっと入れて、モチベーションを高く持って実践出来る練習は何か?
それは、話し相手の物まねを徹底する事でしょう。
そんな簡単な事?と思われるかもしれませんが、ここが本当に出来ていないと感じます。
おそらく、日本語がとてもフラットに話す言語なので、自分では抑揚をつけているつもりでも、思いの外イントネーションもリズムの強弱もついていないのが現状ではないでしょうか?
これも弥助が若い頃に、”Let’s go to McDonald’s.“という単純な英語が通じずに、かなり凹んだ経験です。
〇(通じる)・・・「マダ(↑)ーノ(↓)ーズ」と抑揚をつけて、タタータと三拍で発音
✕(通じない)・・・イントネーションをつけずに平坦に「マ・ク・ド・ナ・ル・ド」と、タタタタタタと六拍で発音
そりゃあ通じませんよね。抑揚のある3拍と平坦な6拍の違いですもん!
とにかく初めは相手のイントネーションを観察し、会話の中で真似をする事が重要です。
単語や短い文章からでいいので、盗むイメージです。
相手が「マクドナルド」ではなく、「マダ(↑)ーノ(↓)ーズ」と発音したら、自分も次からは躊躇なく「マダ(↑)ーノ(↓)ーズ」と発音をスイッチする。
そういう所から物まねを始められる人は、すぐに自分の発音が変わっていく事に気づくでしょう。
発音が上達するかしないかを、タイプ別に分類するマトリックスを元に解説した章があります。お時間があれば是非!
発音記号通りじゃなくても通じちゃう
では、発音記号そのままに発声する事こそが大事に思えるのに、なぜプライオリティは3つ目なのか?
その理由は、そこまでかけ離れていない発音なら、文脈から通じるものだからです。
元々、様々な言語によって発音はそれぞれ異なります。
例えば、韓国人は”f“の発音が得意ではない、というか出来ない人も多々いますが、韓国語にその発音が無いのだから不思議ではありません。
彼ら彼女らは、”If“の事を「イプ」と発音します。”f“が”p“の感じですね。
でも、実際に会話してみれば分かりますが、問題なくネイティブスピーカーにも通じちゃいます。一度慣れれば、余裕で分かります。
日本人も同じです。前述の”th”はその代表でしょう。”I think“をカタカナ的に発音しちゃうと”I sink“で沈んじゃいますからね。(sink=沈む)
でも、文章の中で発していれば、八割~九割は”I think”って言ってるんだろうなって、自然に捉えてくれますよ。意外とそういうものです。
英語の発音に躓いた時の裏技?
ここで、ちょっと実践的なコツを教えちゃいます。
“th”の発音が上手くできない、自信が持てないという人は、開き直って“t”と発音しちゃってください。20年以上の海外暮らしに基づいて断言しますが、
大抵、通じます!
“I think“が”I tink“になっても、驚くほど通じますよ。
“throw a ball“も”trow a ball(トゥロウ ア ボウ)”と発音してみてください。きっと通じます。
“There“とか”Then“とか濁る時は、”d”でいけます。”Dare“とか”Den“の感じです。
一度、騙されたと思って試してみて下さい。イントネーションとリズムさえ合っていれば通じるはずです。
では次に、こちらから英語のネイティブ発音に劇的に近づける為のステップ2と3に続きます。
【カタカナ発音脱却のコツ、3つのステップ ②】~リズムとリエゾンの秘訣
カタカナ英語発音脱却の第一歩は、拍(リズム)とリエゾンの理解から
【カタカナ発音脱却のコツ、3つのステップ ③】~フォニックスの秘訣
スピーキング上達の秘訣、母音発音の覚え方は【フォニックス】から
コメント